「疲れている人」をあまり見ない職場のある共通点 元GAFA人事と産業医に聞くエンジニアの働き方

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──大室先生は、「エンジニアの疲労」に関してどう感じていますか?

大室:エンジニアは、「1日中パソコンの前に座っている人」の代表選手。座りっぱなしで肩や首が凝り、頭痛に悩む人が多いのは職業病でしょう。頭を使うので脳自体も疲れますし、気疲れのような精神的な疲れもあります。

またエンジニアはいまだに男性比率が高い職種ですが、とくに若いうちは女性より男性のほうが自分の体調に無頓着な方が多いですから、エンジニアの中には「疲れていることに気がつかない人」も多い印象です。

30代くらいまでは、自分の体をロボットか何かのように「今日動けば、明日も動く」と思っている人が多い。それで、40代くらいになると少しずつ不調が出てきてしまう。

体の不調は精神にも影響しますから、自分の体の変化には意識的になってほしいですね。

(写真:エンジニア type)

エンジニアが不調になりやすいタイミング

──不調が出やすいタイミング、というのはあるのでしょうか。

大室:エンジニアの場合、プロジェクトが数カ月単位で変わり、メンバーも仕事内容も変わることも多いですよね。エンジニアからプロジェクトが変わったタイミングで「力を発揮できなくなった」とか「すごく疲れるようになった」という話を聞くことは多いです。

そもそも、すべての環境変化は人間にとってストレスなんです。降格だけでなく、昇格すらもストレス。幸せであるはずの結婚だって、実はストレスですよ。

なので、例えば転職と同時に引っ越しもすると環境変化の量が増えるため、メンタルヘルスとしてみると「ハイリスク群」になります。

環境変化によるストレスは、コップに水がたまるように、知らず知らずにたまっていくもの。今、自分がどれくらいの環境変化にさらされているかは、意識してほしいと思います。

──自分にとっての「変化の量」を見ることで、気づくこともできるかもしれないですね。ほかには、自分が疲れているのか気づけるポイントってありますか。

大室:産業医として必ず聞くのは「休みの日の過ごし方」です。「仕事は大変だけど、休日の趣味のテニスは楽しい」という状態ならまだ大丈夫。

それが、休日もやる気が出なくて、好きだったテニスもやりたくないようなら危険信号。自分の休みの日の過ごし方に変化はないか、ぜひ定期的に振り返ってみてほしいと思います。

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