「疲れている人」をあまり見ない職場のある共通点 元GAFA人事と産業医に聞くエンジニアの働き方
プロジェクト単位で仕事内容やメンバーがガラリと変わることもあれば、リモートワークなどの働き方がいち早く導入される仕事でもあるエンジニア。知らず知らずのうちに「疲労」をため込む人も少なくないはずだ。
そこで今回話を聞いたのは、Googleで人材開発を担当し、HRの専門家でもあるピョートル・フェリクス・グジバチさんと、約30社の産業医業務に従事してきたカリスマ産業医の大室正志さん。
グローバル企業を中心に数多のエンジニアの働き方を見てきたお二人に、エンジニアが「いい仕事人生」を歩むための「心と体のメンテナンス法」を語り合ってもらった。
「自己管理文化」が根付くシリコンバレー
──疲労という観点でみると、コロナ禍はエンジニアにどんな影響をもたらしましたか。
大室:コロナ禍で疲労に悩むエンジニアが増えたのか、という点でいうと、実はそうでもありません。各社の休職者数などを見ると、全体の数字のうえで派手な変化はないのです。
リモートワークが中心となり新たなストレスをためた人もいますが、反対にリモートワークで救われた人もいますからね。
ピョートル:リモートワークには、ポジティブな面もネガティブな面もありますよね。ポジティブなのは、働き方が自由になったこと。
公園のベンチで子どもを見ながら仕事をするパパも増えたし、僕自身が打ち合わせの合間に洗濯物を干すこともあるし(笑)。そこに心地よさを感じる人はいるでしょう。
しかし逆にネガティブな面の1つが、オンラインだと顔色を伺いにくいこと。とくに日本は言語化せずに空気を読むことが求められる「ハイコンテクスト文化」なので、なおさら苦手に感じる人は多いのかなと。