私が15年かけて開発したレシピ集『安部ごはん』は、ご飯、味噌汁を中心に、バランスの良い副菜を摂るという、昔ながらの「和食」です。
和食ですから、もちろん砂糖もしっかり使います。砂糖は和食のおいしさを引き立てる欠かせない調味料です。
たとえば安部ごはんの「魔法の調味料」のひとつに「かえし」があります。
「かえし」はしょうゆ100ミリリットルに対して砂糖30グラムの割合でブレンドさせたもので、安部ごはんのベースともいえる欠かせない調味料です。
「料理家も絶賛!『魔法の調味料』5つは便利すぎだ」を見ていただければおわかりのように、これひとつで肉じゃが、親子丼、牛丼、しょうが焼き、おにぎり、鍋などなど万能に使えます。
ちなみにこの「かえし」に対して「砂糖の量が多い」「甘い」という意見が寄せられます。本を見て実際に作ってくださるのは本当にありがたいことですが、「10対3」は必ずしもその通りでなくてもいいのです。
味覚は人によって異なります。「甘すぎる」「もっと砂糖を控えたい」と思うなら、20グラム、15グラムというように量を調整してください。
そもそも他の料理家のレシピでは、しょうゆと砂糖を「1対1」で使うことが多く、それに比べれば「安部ごはん」はかなり砂糖の量は少ないと思います。
「70歳で健康そのもの」秘訣は和食!
私自身、長年和食を食べてきた……というより、ほぼ和食しか食べないし、糖質のことなど一度も気にしたこともありません。ご飯も3食、しっかりいただきます。
ただ、甘い菓子、スナック菓子、カップ麺、甘いドリンクなどは、仕事上の理由でもない限り、一切口にしません。それを考えると、トータルでは、糖質はそれほど摂っていないと思います。
こうした食生活を続けてきて、70歳を過ぎて、「血圧」「血糖値」「中性脂肪」などの生活習慣病は何もなし。血液検査もすべて正常値です。お酒の飲みすぎの反省はあるけれど、健康そのものです。
結局は「食べ方」と「バランス」の問題だと思うのです。
みなさんも目先の「糖質オフ」ではなく、「トータルのバランス」を考えて、健康的な食生活をおくっていただきたいと切に願います。
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