その安部氏が、『食品の裏側』を発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、このたび『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』を上梓した。15年の間に書きためた膨大なレシピノートの中から、たった5つの「魔法の調味料」さえ作れば、簡単に時短に作れるレシピを厳選した1冊だ。
発売後、たちまち7刷6万部を突破し、各メディアで取り上げられるなど、大きな話題を呼んでいる安部氏が「平気で『糖質オフ食品』を買う人が知らない残念な真実」について語る。
「糖質オフ食品」という一大市場
世の中、「糖質オフ・ロカボ(低糖質)食品」が花盛りです。
この記事を書くためにスーパーやコンビニをリサーチしたのですが、驚くほど糖質オフ食品が増えています。
レトルトのご飯、パン、カップ麺、パスタ、シリアル、ハム・ソーセージ、レトルトカレー……。それからチョコレート、クッキー、キャンディ、アイスクリームなどのお菓子類。さらにはソフトドリンク、酒類、調味料まで。
まさに一大市場となりつつあるようです。
なかには「これはもともと(の性質として)糖質は低いよね?」というものまで、ちゃっかり「糖質オフ」と銘打っていたりして、なんとも商魂たくましいというか……。
この20年ほど、日本では「糖質制限ダイエット」が流行しています。もともと糖質制限食は糖尿病の治療の一環として行われていたものですが、ダイエットにも応用できるとして紹介されて以来、爆発的に広まりました。
糖質制限ダイエットについては、短期間で行う分には非常に効果があるけれど、長期間続けるものではない、リバウンドしやすいなど、いろいろ意見があります。近年ではマウスの実験で長期的に続けると老化が早まるという結果を指摘する人もいますが、私はその分野の専門家ではないので、糖質制限食の是非に意見するつもりはありません。
ただ、食品加工・開発に長年携わってきた経験からして、今流行りの「糖質オフ食品」には、思わぬ「落とし穴」があるように思えてならないのです。
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