お酒の世界でも糖質オフが流行っていて、「糖質オフビール・発泡酒」ばかりか、「糖質オフ日本酒」というものまで出ています。私もこれらのお酒を飲んだことがありますが、ハッキリ言って少なくとも私には、「本来のおいしさ」を感じることができませんでした。
糖質オフビール、おいしいと思いますか?
というのも、お酒やビールというのは、中に含まれているでんぷん(デキストリン)やブドウ糖といった糖分こそが「うま味」なのですが、「糖質オフ」にしているため、それが抜けてしまっているのです。
また、ビールは麦芽のでんぷんが酵素の働きで糖に変わることで、独自のコクや風味が出ますが、「糖質オフ」で糖分が少なくなると、そのコクや風味が生まれにくくなります。
もちろんメーカーや商品によって違いがありますが、「糖質オフ」をうたう「発泡酒」や「新ジャンルビール」の中には、「酸味料」「乳化剤」「カラメル色素」「調味料(アミノ酸等)」「酸化防止剤」「アセスルファムK」「香料」などが使われているものも売られています。本来、ビールの原料は「麦芽、ホップ、水」なのにもかかわらず、です。
酒飲みの一意見として言わせてもらえば、そういう商品では「ビール本来のおいしさ・楽しさ」を十分に感じることができず、「おいしさが犠牲」になっているように感じます。
しかし、糖質オフ食品で減らせる糖質は、はたしてどのぐらいなのでしょうか。たとえば、うちの冷蔵庫にあったビールの糖質は100ミリリットルで3グラムです。350ミリリットル缶で10グラムちょっと、500ミリリットル缶でも15グラムです。
ここでがんばって10グラムの糖質をカットしたとしても、ジュース1本、缶コーヒー1本飲んだら、帳消しどころか、糖質超過です。
「日本人の体を壊す『隠れ糖質』とりすぎの深刻盲点」でも述べたように、500ミリリットルの清涼飲料水には「50~60グラムの糖類」が含まれているものも少なくありません。
要は、別のところで糖質を摂取していたら意味がないのです。どうも「糖質オフ食品」を一生懸命選んでいる人に限って、そういうバランスの悪さがあるような気がしてなりません。
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