「親の介護」に臨む人が知るべき国の2重大制度 仕事と介護の両立を諦めないのはとても重要だ

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たとえば、会社の福利厚生で介護の補助金を出してくれるところや、遠距離介護の交通費を補助してくれるところもあります。黙っていないで、会社に報告して、可能な限りおトクな情報を入手するようにしてください。

93日間の介護休業、3回に分けて使うべし

安藤:介護でお休みするのも、出産や育児でお休みすることみたいに普通になるといいですよね。でも、93日間の介護休業って、なんとなく、短いような気がしますが……。

太田:確かに、とても93日で介護が終わるとは考えにくいです。でも、介護休業の本来の使い方は、「自分が介護をするための休暇」というわけではなく、親の介護をマネジメントする期間に使うことが本来の目的です。

安藤:「マネジメント」!  たしか、身の回りのお世話をすることではなく、 適切なサービスを受けられるよう環境を整えていくことでした。

太田:そうです! たとえば、93日のお休みを3回に分けて使えるのですから、1回目は、介護サービスに慣れるまで様子を見守るために使って、2回目は、施設介護を検討するときに一緒に施設探しをする。3回目は、看とりのとき、最期のときは、そばにいられるようにするなど、それぞれ1カ月間ずつ休むようにするなどの使い方もあります。

介護がはじまった!と慌てて、身の回りのお世話のために93日間がっつりお休みして、つきっきりで介護をしても、親の状態が良くなるわけではありません。長期間の介護を続けられるように、体制を整えたり、適宜調整したりするときに使うほうが、有効的な使い方だと思います。

安藤:介護休業の使い方でも、使い方を間違えるとせっかくのお休みが無駄になってしまうから、気を付けるようにしないと。はじめに理解しておくってやっぱり大切ですね。

親はやっぱり、最期まで自分の家で暮らしたい!と言うことが多いような気がしますが、介護が必要になってきて、子どもが離れて暮らしていてもずっと家で暮らすことって現実的にできるものでしょうか?

太田:「絶対にできる・できない」は、皆さんの事情によるので断言はできません。介護を行った場所を調査したデータによると、要介護1は76.4%、要介護2は68.4%の人が、在宅での介護をしていますが、要介護4だと41.5%、要介護5だと40.4%と在宅介護が少なくなって、半分以上の人が施設へ入居しているようです。

安藤:やっぱり、介護の必要度合いが高くなってくると、自宅で介護をするのは難しくなるんですね。

太田:1人で食事をとれないとか、火の始末ができないなどになると、在宅での生活を続けることが厳しくなることもあります。親が安全に暮らしていくことを考えると、将来的には施設への入居は、視野に入れておくほうがよいと思います。

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