名門ホテルが高級路線で再始動、外資系が牛耳る市場に本格参入

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名門ホテルが高級路線で再始動、外資系が牛耳る市場に本格参入

ビートルズが来日時に宿泊した名門ホテルが、4年の歳月を経て再出発--。10月22日、東京・永田町に開業した「ザ・キャピトルホテル東急」。前身「キャピトル東急」は土地柄、政治家などが多く利用していたが、同地区の再開発に伴って閉館、建て替えられた。

新生キャピトルの部屋数は251室とほぼ半減。一方で内装に和モダンの要素を取り入れ、スタンダードタイプの部屋も広々した造りにするなど高級感を強調した。客室平均単価は3万5000円と1万円値上げし、国内外の富裕層の開拓や常連客の回帰に力を注ぐ。「日本、東京を象徴する最高峰のホテルを目指したい」と冨樫進総支配人は意気込む。

ただ、国内高級ホテル市場を取り巻く環境は厳しい。一時は外資系の進出ラッシュに沸いたが、リーマンショック以降は稼働率、客室単価とも低迷。足元、国内レジャー客を中心に稼働率は上向いているが、頼みのビジネス客の戻りは鈍い。

加えて、3万円以上の市場は日系高級ホテルの上をいき、「現状は外資系の独壇場」(ホテル業界に詳しいジョーンズ ラング ラサールの沢柳知彦マネージングディレクター)。知名度、ブランド力とも高い外資と互角に争うには「なじみの薄い客をどれだけ取り込めるか」(同氏)がカギ。日系ならではの高級感で差別化できるか。

(倉沢美左 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年11月6日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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