10月29日、FRB(米連邦準備制度理事会)が量的緩和第3弾(QE3)を終了することを、FOMCで決定した。ただ、これは厳密な言い方ではなく、「資産買い入れを停止した」ということである。FEDのバランスシートを直接使って、米国債と資産担保証券を大量に保有するというバランスシートポリシーは継続し、満期分と利子支払い分の再投資は継続する。
したがって、FEDが資産を保有するという金融政策は継続するのであり、本来であれば、緩和は継続というのが本質的なとらえ方である。ただ、経済と金融市場の拡大に応じてマネーの供給は拡大するのが中立的な金融政策であると考えるのであれば、資産保有規模が一定となるのは、拡大とは言えず、量的な「緩和」は終了し、量的金融政策は継続される、という捉え方もできる。
改めて、量的緩和とは何か
そこで、この際もう一度、量的緩和の定義を考えてみよう。本来は、量的緩和とは、日本銀行が2001年3月から2006年3月までに実施したもので、日銀の当座預金勘定の金額を金融政策の目標変数とするものであって、従来の短期金利を操作目標とするのと異なって、日銀のバランスシート上の金額、裏を返せば、短期金融市場に供給される量、これを目標にする金融政策のことである。操作目標である短期金利がゼロになってしまったので、それ以上金利を下げることができず(実質マイナス金利という議論はあるが)、代わりに量を目標としたのである。
このとき、金融緩和をさらに拡大するというスタンスを取るために、この目標金額を増額していった。これが市場にオカネをじゃぶじゃぶ溢れさせる、というイメージを与え、日銀がお札を刷りまくるという金融緩和、量的緩和の世間的なイメージを作り上げた。
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