前向きな救済所「シブヤ大学」が今求められる訳 リスキリング圧力感じる大人はどう学ぶべきか
肩書から離れ、等身大の自分で学ぶ
大澤悠季氏(以下、大澤):これまでは、生涯学びつづけるとか、コミュニティに属するというと、リタイア層のものというイメージがありました。でも『ライフ・シフト2』では、そうではなくなってきていると書かれています。
これは、渋谷という街で、若い人たちが学びたいことを学べるコミュニティを作ってきた「シブヤ大学」が目指しているところと重なりますね。本書の「生涯、つねに学びである」「学びとは、探索である」というメッセージは強く響きました。
深澤まどか氏(以下、深澤):東日本大震災以降、「絆」など、人とのつながりがよく語られるようになりました。一方、コロナ禍のここ1~2年で「シブヤ大学」に訪れる人たちには、つながりを求めるというだけでなく、自分の興味関心や問題意識を軸にして、誰かに話したり、誰かの話を聞いたりする場が必要だという方が増えています。
問題を自分の中だけで考えるのではなく、かと言って、「正解」が欲しいというわけでもない。一緒に考える時間を求めているという印象ですね。また学生としてだけでなく、ボランティアスタッフとしても関わりたいという方が増えていて、活動の場を求めている方がいると感じます。
コミュニティをつくることが目的ではなく、場を共有していった先に、自然とコミュニティが生まれていったらいいなと思います。