チョコに惚れ、海を渡った23歳彼女の桁外れな挑戦 バイト代貯め19歳で現地へ行き受けた衝撃

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ガーナの「カカオ革命」に取り組む、MpraesoのCEO・田口愛さん(筆者撮影)
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バレンタインの定番スイーツ、チョコレート。日本では、チョコレートの原料となるカカオ豆の約8割を、アフリカのガーナから輸入している。しかしガーナのカカオ農園で働く人のなかには日給約2ドルで生活する人もいるという。そんな彼らにとってチョコレートは高級品のため、味を知らない人も大勢いるそうだ。

そんなガーナの現状を変えるため、1人の日本人が現地のカカオビジネスに革命を起こしている。Mpraeso(エンプレーソ)のCEOを務める田口愛さん(23)だ。

2021年11月、本田圭佑さんや冨永愛さんなどと並んで、ニューズウィーク日本版の「世界に貢献する日本人30」に選出された田口さん。ガーナでどのようなビジネスに取り組んでいるのだろうか?

ガーナのカカオ豆の買い取り制度を変革

田口さんがガーナで取り組んでいるのは、カカオ豆の買い取り制度の変革だ。ガーナ全土のカカオ豆は、「ココボード」と呼ばれる政府のカカオ管理局が”量”に応じて同一価格で買い取っている。質が悪くても量さえ納めれば収入が得られるため、ガーナのカカオ農家は品質にこだわらなくなっていた。

田口さんによると、「ガーナのカカオ豆は品質が悪くて、取引が面倒くさいと思われていて、ガーナ以外の国からカカオ豆を輸入しようというムーブメントが世界的に増えている」という。買い手が減れば当然、ガーナのカカオ農家は収入が減り、生活に困窮する。

そこで彼女は、自身が拠点としているエンプレーソ地域アマンフロム村のカカオビジネスから改革を始めた。

「ガーナのカカオ豆は酸味が少なくて、いろんなものに合わせやすい」と田口さん(写真:田口愛さん)
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