「いったいどこでマーケティングしているのですかね」(夏野剛氏)。
9月中旬、シャープは新たに中国市場に投入する空気清浄機2モデルを発表した。価格はいずれも8000元(約14万円)で、日本で販売している最上位製品とほぼ同額。富裕層向けの製品というわけだ。
機能面でも、「プラズマクラスター」を搭載するなど、日本版と大差ないが、一点大きく異なるのは、新機種のデザイン。2モデルのうちの1つは、新たに中国人デザイナーを起用し、中国人好みの見た目に仕上げたというのだ。
中国人は本当に派手な見た目がお好き?
確かに今回発表した新製品のうちのひとつである「KC-CE50-N」は、高級感の漂うメタリックな見た目。見るからにゴージャスだ。
シャープは「プラズマクラスター」という差別化技術をもつ、言わずと知れた空気清浄機の雄。日本の国内市場だけでなく、中国でもフィリップスに次いでナンバー2のシェアを誇っているようだ。
だが夏野氏は、シャープ経営陣の判断の“鈍さ”を指摘する。
「そもそも(大気汚染の影響が顕在化し始めた)15年前から、空気清浄機をそのままの値段で、そのままのデザインで中国市場に導入しない? と提案していた。でもシャープの幹部は『いや中国はまだ早い、中国は価格が合わない、中国は好みが違う……』と、渋っていた」(夏野氏)。
今回発売する派手なデザインの空気清浄機についても、「これが、シャープがダメな最大の理由」と切り捨てる。
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