新型ノア/ヴォクシーの室内写真を見て思ったのは、上級ミニバンの「アルファード」「ヴェルファイア」に通じる上級感覚だ。近年のSUV人気に押され、従来ノア/ヴォクシーとアルファード/ヴェルファイアの中間に位置したエスティマがなくなったこともあり、新型ノア/ヴォクシーがその格差を埋める期待があるのではないかと思う。
また、エスクァイアで経験した高級さの適用が活かされているともいえそうだ。これまで家族のための5ナンバーミニバンとして愛用してきた所有者も、より上質な雰囲気に嫌な気はしないはずだ。買い替える意味を実感させる内装品質の充実といえる。
ノアには内装色の選択肢があり、精悍な黒系だけでなく、明るく淡い色遣いや、落ち着きのなかに上級車を覚えさせる茶系もあって、この点でも実用重視だけのミニバンでないことを思わせる。
エスティマの抜けを補うという意味では、全車種が3ナンバー車になったことも関係するかもしれない。
現行プリウスと同様のTNGAプラットフォームを採用
技術的には、ノア/ヴォクシーとしてTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を初採用したことが挙げられる。小型車用のGA-Cと呼ばれるプラットフォームは、現行型の「プリウス」から採用されてきたものを活用しており、プリウス以降このプラットフォームは「C-HR」「カローラ」などで採用されてきた。
カローラも現行から3ナンバー車となったように、3ナンバーのプリウスからのプラットフォーム適用は、新型ノア/ヴォクシーも3ナンバー車とする結果につながったといえるだろう。それより下のTNGAプラットフォームは、ヤリスなど、より小型の車種用となってしまう。
GA-Cプラットフォームの活用は、新型ノア/ヴォクシーをいっそう上質なミニバンに仕立てる期待がある。
先にも述べたように、プリウスから採り入れられたTNGAプラットフォームは、C-HRで大きく花を咲かせ、現行プリウスから1年後に誕生した際、その走行性能はもちろん上級な乗り味は、一気にクルマを進化させるTNGA効果を実感させた。その後のカローラやカローラクロスなどもいうまでもなく、数段上の車格への真価を覚えさせた。
そうしたこれまでの体験からも新型ノア/ヴォクシーが格段の進歩を遂げているのではないかと期待させるのである。
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