ノア、セレナ…ミニバン4モデルの購入者を分析 ガチライバルの比較で見えた意外に違う購入層

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ミドルクラスミニバンの主要4モデルについて購入者分析を行った(写真:日産自動車、本田技研工業、トヨタ自動車)
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「ノア」「ヴォクシー」「セレナ」「ステップワゴン」……、2000年代初頭よりトヨタ・日産・ホンダがしのぎを削るミドルサイズミニバン市場。昨今の車種はグローバルモデルとして展開されることが多い中、ミドルサイズミニバンはほとんど日本専用車として開発され、日本のユーザーニーズに応え続けているセグメントである。

これらのモデルは、成熟市場である日本のユーザーが求めることを追求しているだけあって、実用性、完成度、コストパフォーマンスなどのさまざまな点で、ハイレベルな競争を繰り広げてきた。

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実際、日本自動車販売協会連合会(自販連)の乗用車ブランド通称名別順位(2020年1月~12月)によると、10位:ヴォクシー、11位:セレナ、16位:ノア、20位:ステップワゴンとなっている。ヴォクシーとセレナの差は1,000台未満と競り合っている。

しかし、同じセグメントの競合だけあって、いずれのモデルもサイズ・価格・機能が似かよっているのもたしか。ユーザーは一体、どのようにして1台を選び出しているのだろうか。

トヨタ「ヴォクシー」、同「ノア」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」の主要4モデルのユーザー像を、購入時の重視点や他車との比較状況から分析してみたい。

今回、分析するデータは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」。購入時の比較環境や流行の影響を揃えるため、セレナにe-POWERが加わったタイミングに合わせて、分析対象者はすべて2018年3月以降の購入者とする。

また、インテージが独自開発中の調査データも活用し、別の角度からも4車種の分析を進める。

<分析対象数(Car-kit)> 
■トヨタ ヴォクシー:2584名
■トヨタ ノア:1613名
■日産 セレナ:2752名
■ホンダ ステップワゴン:1606名
※いずれも分析対象は新車購入者のみとする

1.車の使い方~併有車情報~

ミニバンといえば、多人数乗車や多くの荷物を載せられるといった、広大な室内空間がもたらす特徴がまずは思いつく。一方で、ちょっとした近所への買い物や1人での移動の際にはトゥー・マッチな部分も否めない。そこで、まずはミニバン以外にも車を保有しているか「併有車」のデータを見てみよう。

結果は4車種すべてにおいて、「1台のみ」と「2台以上保有」の割合が半々であった。思ったよりも1台持ちが多い印象だ。では、2台以上を保有している人は、ほかにどんな車を持っているのだろうか。

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