トヨタの5ナンバーミニバンであった「ノア」「ヴォクシー」がフルモデルチェンジし、4代目となった。ただし、この新型からすべての車種で車幅が1.7mを超え、3ナンバー車となっている。
前型が2014年1月に発売され、それから数えて8年目での新型投入だ。2001年にノアが誕生してから、モデルチェンジ期間は6~7年だったので、前型の息の長さが目につく。それだけ前型の完成度が高水準であったといえるだろう。
また前型では、途中で「エスクァイア」という3車種目の兄弟車が加わり、5ナンバーミニバンでの高級さという新たな価値の提案も行われた。エスクァイアは、前型の終盤に生産が打ち切られたが、歴代ノア/ヴォクシーの好調な販売が、エスクァイアという価値観を試行錯誤するゆとりをトヨタにもたらし、その成果を踏まえて今回の新型開発が行われたとみることもできるのではないか。
発表されたばかりで、まだ実車を見たり試乗したりしていない段階だが、まずは新型の進化の様子を探求してみたい。
3つのスタイル、新型ノア/ヴォクシーのパッケージ
「より快適に、より便利に、より安心なミニバンとして、家族や仲間が笑顔になる時間を演出」と銘打ち、2022年1月13日に新型ノア/ヴォクシーは登場した。
優れたパッケージと使い勝手の良さの進化、最新の先進装備の採用、新世代シリーズパラレルハイブリッド採用など磨きぬいた動力性能の3つが新型の柱となる。
外観は、大きく3種類にわけられる。前型にあったエスクァイアは姿を消したが、ノアには「標準」とか「エアロ」という、やや趣の異なる外観が設定された。そしてヴォクシーである。いずれも大きなフロントグリルを特徴とし、その造形に差がある。先ごろ発表されたホンダ・ステップワゴンは、まったく雰囲気の異なる2種類の外観を設定してきたが、ある意味で新型ノア/ヴォクシーは、前型のエスクァイアを含め、顔つきを強く押し出す姿を継承している。
それぞれの顔つきが象徴する各車の特徴として、新型ノアは「堂々・モダン・上質」、ノアのエアロには「王道・アグレッシブ」、そしてヴォクシーは「先鋭・独創」の言葉が与えられた。
後ろ姿も新しくなっているが、ノアとヴォクシーとでリアコンビネーションランプとリアガーニッシュの意匠が異なる程度で、フロントの顔つきほど大胆な差ではない。
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