息子が塾ナシで「慶應と美大合格」ある家族の秘訣 "勉強一色とはほど遠い"生活からの逆転
日本の早期教育や偏差値教育に疑問を感じ、子どもたちに塾通いはさせたくないという意見で一致していたという2人。この両親が子育てで大事にしてきたことは何だったのか? 子どもが受験勉強をやる気になったきっかけは? 質問を重ねるうちに、塾通いよりも大切な子育ての本質が浮かび上がってきた。
小学生までは睡眠と食事の生活習慣を徹底
エリンさんと緑さんは、エリンさんが早稲田大学留学のあと日本で英会話のアルバイトをしていた頃に出会った。その後、言語学に興味があったエリンさんがテキサス大学大学院に通うことになり、結婚して移住。緑さんが30歳のときに長男が、その1年半後に次男が誕生した。
エリンさんが大学院の2年目から奨学金とバイト代をもらえたが、家族4人で食べていくために貯金を切り崩す生活になった。困窮家庭に配られるフードクーポンで月に1回、食料品を受け取る行列に並んだ。
日本へ戻ったのは5年後。息子たちが小学校に上がる前だった。
現在、マクレディ家が住む都内の家は、古いけれど広くて開放感あふれる一軒屋だ。玄関やリビングには、アートや音楽や旅好きの2人の趣味を感じさせる作品や思い出の品が飾られていた。中学1年生の3男も含めて息子さんたちは不在だった。
「上2人はもう大学生だから好きにさせてます。でも小さかったときの生活リズムは、かなり厳しく守らせていました。何よりも徹底したのは早寝と食事。長男が5歳になるまでアメリカでは、毎晩7時には2人とも寝かせていましたね」(緑さん)
そのぶん夕食も入浴の時間も早くなり、翌朝起きるのは7時過ぎ。12時間睡眠だった。小学校に上がると8時、高学年になると9時と、段階的に就寝時間は遅くなったものの、友達が遊びに来るなどして遅くなっても10時までには必ず寝かせていたという。
「ほかに決めていたルールは、テレビをダラダラ見ないこと。小学校に上がる前は1日30分、小学生になってからは見たい番組を1時間だけ。ゲームもやらせませんでした。習いごとはピアノ、習字、スイミング、野球といろいろやらせてみて、いちばん長く続いたのは野球。でも、監督も練習も厳しすぎて行く前に思い出し泣きするようになったから3年でやめましたし、長続きしたお稽古ごとは何もありません(笑)」(緑さん)
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