息子が塾ナシで「慶應と美大合格」ある家族の秘訣 "勉強一色とはほど遠い"生活からの逆転

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長男、次男ともに小学校の成績は平均レベルだったが、勉強についていけるように、ベネッセの通信教材『チャレンジ』はずっと続けていたという。

「5年間アメリカにいたので、幼少期にアメリカで『こどもちゃれんじ』をはじめました。ゲームもないしテレビの時間も限られていて、家に娯楽がなかったから、付録を楽しみにしていましたね。小学校に入り『チャレンジ』のテキストが後回しになると、『やらないならやめるよ!』と言っていましたが、2人ともやめたがらなくて6年生まで続けました」(緑さん)

ほかに心がけていたのは、「3食きちんと食べさせること」。食事もおやつも、簡単でもいいから緑さんが作ったものを食べさせて、市販のおやつやコーラなどの炭酸飲料は友達と遊ぶ特別なときだけ、と決めていた。

「子育てって結局、睡眠や食事の基本的な生活習慣がいちばん大事。本当にそれだけは徹底していました」と緑さん。

親とケンカしてはプチ家出する次男は…

しかし次男は、食べものの好き嫌いが激しく、性格も3人兄弟の中でいちばん頑固で、小学校高学年から反抗期に突入。6年生になるとプチ家出して深夜まで帰らないこともあったという。反対に長男は、「黙って親の言うことを聞いていたほうがマシ」と平和を優先していた。

緑さん(撮影:梅谷秀司)

「次男は、冷飯を食べないんです。だから、遠足で持っていったお弁当も手をつけずそのまま持って帰ってくる。前の日の残り物を出すのも嫌がって、『新しく作って』と言うから、私もブチ切れてました。『私の作るものが嫌なら出て行け!』って(笑)。そしたらホンマに出て行ってしまうほど、次男は言いだしたら聞かない性格なんです」(緑さん)

「緑も、自分がやることに従ってもらうまで譲らないんです。2人がケンカすると、頑固と頑固がぶつかり合ってすごく大変。だから私がいつも間に入って、『2人とも落ち着いて、落ち着いて』ってなだめるのに大変でしたね」(エリンさん)

緑さんとケンカするたびにプチ家出した次男は、夜中12時まで開いているブックオフで本やマンガを立ち読みしていた。そして閉店時間になると連絡がきて両親が連れ戻しに行く……の繰り返し。友人たちが中学受験のラストスパートに入る6年の冬には、12時過ぎても居場所がわからず補導されたこともあった。

「そのとき次男に、『そんなに家にいたくないなら寮がある中学に行く?』って言ったら、『寮に入る』って。それから大急ぎで調べて、受験勉強せずに入れて寮もある、スマホ・ゲーム禁止の新しい中学校に入れました。その学校の友達の影響で、いろいろな本やマンガにハマったのはよかったんですけど、新設校で問題が多くて、『ここは子どもを伸ばす環境ではないな』と思いました。本人にも『戻ってくる?』って聞いたら『戻りたい』と。それで、中2から都内の公立中に転校させました」(緑さん)

次ページ秋葉原でよく補導されて通知表はほぼ「2」だった次男の中学時代
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