息子が塾ナシで「慶應と美大合格」ある家族の秘訣 "勉強一色とはほど遠い"生活からの逆転

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「その私立校の入試を受けたあと、希望者だけ特別進学クラスの試験を受けられたので、それも受けさせました。そしたら運よく特進クラスに入れたんです。中学時代は成績が悪くて自己肯定感ゼロだったから、進学クラスに入れたことで自信を持ちはじめた様子でした。3年間ずっと同じ先生が担任で、次男のことをよく見てくれて、モチベーションを高めてくれたのもありがたかったですね」(緑さん)

自分のレベルに合った環境で自信を取り戻した次男は、本好きが高じて物書きになる夢を思い描きはじめた。そして、暇さえあれば机に向かうガリ勉に豹変。クラスの友達が全員予備校に通っていたため、「僕も予備校に行きたい」と言い出したこともあったという。

予備校の代わりに「自習室」だけレンタル

「うちはエリンの収入だけで家族5人生活しているので、お金を使うことにはかなりシビアなんです。無駄なお金は使いたくないし、そもそも高いお金を払って私立の学校に行かせてるのに、予備校に通わないと大学に入れないのがおかしいですよね。

だから、予備校なしでも合格できる方法を徹底的に調べました。参考書、問題集、赤本関係は手に入るし、わからない単元はほとんどYouTubeに解説動画があります。ほかの大学受験の情報も、私が調べられる自信がありました。だからそれ以外、予備校で何のメリットがあるのか次男に聞いたら、『自習室を使いたい』と。それだったらと、月額8000円で駅前の自習室だけ借りてあげました」と緑さん。

哲学に興味があった次男は、大好きな森見登美彦さんの小説に憧れて『京都の大学に行きたい』と、1年生のときは同志社大学文学部哲学科を目標にしていた。しかし、3年生になると模試でA判定が続いたため同志社は滑り止めにして、早稲田大学文学部を第一志望に。慶應義塾大学文学部も2年目から哲学専攻を選べるため併願することにした。その頃は、特進クラスのトップを維持するほど成績が急上昇していったという。

「次男は、森見登美彦さんの小説に出てくる京都の4畳間の和室で着物に下駄履いてるような生活に憧れていたんでしょうね。受験勉強中も丸坊主にして、作務衣を着て、まん丸い眼鏡をかけて、机に向かっている自分に酔っているような、作家コスプレ状態でした(笑)」(緑さん)

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