《プロに聞く!人事労務Q&A》就職浪人を採用すると助成金を受け取ることができるのですか?
回答者:社会保険労務士朝比奈事務所 朝比奈睦明
ご質問の制度につきましては、「若年者等正規雇用化特別奨励金」(2012年3月31日までの時限措置)の「採用内定を取り消されて就職先が未決定の学生等」を対象とした奨励金です。
若年者等正規雇用化特別奨励金は、「年長フリーターおよび30歳代後半の不安定就労者または採用内定を取り消されて就職先が未決定の学生等」をハローワーク等の紹介により一定の対象期間を引き続き正規雇用している事業主に対して支給されます。
ご質問の「就職浪人の学生」は、内定を取り消す企業からハローワークに通知された採用内定の取り消し対象者であって、就職先が未決定であり、職業安定所長等により安定した職業に就くことが著しく困難である者として奨励金の活用が適当であると認められた者でなければなりません。
なお、正規雇用する場合とは、雇用契約期間の定めのない雇用であって、1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度である労働契約を締結し、雇用保険の一般被保険者(ただし、1週間の所定労働時間が30時間未満の者を除く)として雇用することをいいます。
<奨励金受給の流れ>
奨励金を受給するには、ハローワークに奨励金の対象となる求人を申し込み、採用内定を取り消されて就職先が未決定の新規学校卒業者(対象者の雇入れ日現在の満年齢が40歳未満)をハローワーク等の紹介により卒業年度の翌年度末までに正規雇用し、継続して一定の対象期間(6カ月、1年6カ月、2年6カ月)を雇用することにより支給申請することができます。なお、求人申込書作成の際は、「若年者等正規雇用化特別奨励金対象」と備考欄等に記載する必要があります。
<受給できる金額および対象期間等>
大企業は50万円、中小企業には100万円が次のとおり一定の対象期間ごとに支給されます。
<主な受給要件等>
雇い入れ日の前日から起算して6カ月前の日から奨励金申請日までの間に、その事業所における雇用保険被保険者を「事業主都合の解雇等(勧奨退職を含む)により離職」させた場合は、奨励金が支給されません。また、「特定受給資格者となる離職理由で離職」させる者が一定割合生じた場合も支給されません。
このほか、採用した奨励金の対象となる人材が自己の都合により対象期間の途中で退職した場合もその期間に対する奨励金を受給することができないなど、様々の受給要件があることに注意してご活用ください。
東京都社会保険労務士会所属。1990年日本大学文理学部卒業。社会保険労務士事務所勤務を経て、2000年4月に社会保険労務士朝比奈事務所を開設。 主な業務分野は、賃金・評価制度等人事諸制度の構築、就業規則作成、社会保険事務アウトソーシング等。著書に「図解 労働・社会保険の書式・手続完全マニュアル」(共著)。
(東洋経済HRオンライン編集部)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら