菅義偉が明かした「首相在任時」の決断・葛藤・成果 官邸主導体制「私はうまくいったと思っている」
「ワクチンをありがとう」政治家冥利に尽きた
塩田潮(以下、塩田):2021年10月31日の衆議院議員総選挙は首相退任の1カ月後の選挙でした。有権者の反応をどう受け止めましたか。
菅義偉・前首相(以下、菅):総理大臣が終わった直後の選挙でしたから、辞めた後は何をやるんだろうということで、期待感は当然、薄れていると思っていましたが、選挙での反応はまったく違っていました。街頭遊説でも、集まってくれた人がものすごく多かった。内閣をあげて新型コロナウイルスのワクチンを用意したことについて、「ワクチンを、ありがとう」とわざわざお礼を言いにきてくれた人が非常に多くいました。政治家冥利に尽きましたね。
塩田:首相就任は2020年9月でした。安倍晋三・元首相の突然の辞任の後、後継選出の自民党総裁選挙で政権を手にしましたが、首相に、という考えはどの時点で持ちましたか。
菅:正直に言うと、政権はやっぱり総理大臣を目指してきた人が担うべきだというのが自分の考え方でした。私は田舎から出てきて、地方議員の後、国会議員となった。将来は総理大臣に、と目指してきたかというと、そうではありませんでした。官房長官の仕事をやっている中で、コロナが襲った。総理大臣を、というのは、すべてはコロナ対策ですよ。
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