オミクロン急拡大の先に待つ3つの最悪シナリオ 日本人が気づいてないリスクはチャイナショック

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今年の元日、初詣に出かけた人は一昨年ほどではなかったが、昨年に比べて明らかに多かった。日本における感染急拡大はもちろんですが、意外なところに大きなリスクが潜んでいます(写真:Toru Hanai/Bloomberg)

日本人の多くがオミクロン株について大きなリスクを見落としてるのではないでしょうか。

感染力はデルタ株の3倍程度とされ、感染者数が爆発的に増えそうだが、その一方でオミクロン株は弱毒性で重症者数は多くはならない。ブースター接種と治療薬の承認が間に合えば春には問題は落ち着くだろうという予測が一般的です。

しかしこのような予測の陰に日本人が見落としている大きなリスクが存在します。それがチャイナリスクによる世界経済の混乱です。

北京五輪を控えて懸念される中国での感染拡大

実はオミクロン株について注視すべきは東京や沖縄の感染者数の増加ではありません。中国の感染者の動向こそを注視すべきだというのが未来予測の専門家としての私の危機感です。

この先、2月4日に北京オリンピックの開幕にあわせて、世界中からオリンピック関係者が北京に集結します。世界から集まる人数という点ではアメリカやイギリスの政治ボイコットは大きくは影響しません。選手団やスポーツ関係者がこのタイミングに数万人規模で入国することで、北京冬季五輪組織委員会も一定数の新型コロナウイルス感染者が出ることをすでに見込んでいます。

そして北京オリンピックでは外国人の観戦客を受け入れない方針ですが、国内の観客は受け入れる方針になっています。ここで問題となるのがオミクロン株については中国のシノバック製のワクチンが効かないと報告されていることです。

リスクの構造としては、中国政府としては北京オリンピックを大々的に成功させる方針の急転換はできないこと。世界中から関係者が北京に集まり、中国国内各地から観戦客が北京に集まること。そこで起きる感染拡大が避けられないこと。そしてそのリスクに対してシノバック製のワクチンが防護壁として機能しない可能性があること。これらの連鎖がもし起きれば、流行当初の武漢における感染爆発を除けば、過去2年間、世界の中で例外的にコロナ禍から免れてきた中国に、本格的な新型コロナの国内大流行が起きる危険性があります。

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