オミクロン急拡大の先に待つ3つの最悪シナリオ 日本人が気づいてないリスクはチャイナショック

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そして重要なことは中国での感染拡大が起きれば、世界経済が大混乱しかねないということです。

日本企業の多くは2022年の日本経済は回復すると想定しています。オミクロン株の国内感染の拡大は心配だが、基本的に経済はアフターコロナに向かうはずだという前提です。コロナが落ち着けば人々がまた外に出られるようになる。飲食店もにぎわいをみせるし、観光需要も戻ってくるだろう。外出の機会が戻ればアパレル需要も生まれるし、4月からの新生活の投資も増えるだろう。これが多くの企業にとっての2022年の経営計画の基本シナリオです。

しかしそこでもしチャイナショックが起きたらどうなるでしょうか? それは多くの日本企業にとってはリスクシナリオに入っていない新要素のはずです。そのときどのようなリスクが起きるのか、3つのシナリオを説明します。

世界の工場が止まってしまうかもしれない

リスク1:中国のサプライチェーンが止まる

現在、日本経済回復のリスク要因として「半導体不足」「小麦、大豆など食料の値上げ」「原油高」「急激な円安」が挙げられています。これらのリスクの共通要因として海外からの輸入量が減ることで価格が高騰し、結果として国内のインフレを引き起こしています。

そこにまだ想定に入っていない要素として「中国の工場の稼働停止」が加わるというのがチャイナショックの最初のリスクです。過去2年間、欧米でロックダウンが行われ、日本でも緊急事態宣言で外出制限が行われる中で、それでもマスクなど一部の商品を除いてモノ不足が起きなかった最大の要因は、中国が早期に新型コロナの封じ込めに成功し、中国の工場が稼働し続けていたという点です。

生活用品から産業に必要な原材料まで、中国から安定して物資が日本に輸入され続けていたことが、コロナ禍の下での生活の安定につながっていました。もしコロナ禍と時期を同じくして物不足が起きたら、1974年のオイルショックと同じ狂乱物価によるスタグフレーションが再来していた可能性は十分にありました。

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