世界の趨勢としては、インバウンドの解禁はコロナ禍の収束が目に見えるようになるまで待とうという様子見姿勢です。デルタ株の収束でそれに少しだけ希望が見えてきたところに今回のオミクロン株騒動です。たとえオミクロン株が弱毒であることがわかり、騒動が早期に収束したとしても、それでもインバウンドの回復は半年以上の単位で遅れることになるでしょう。
そして最大の問題はやはりチャイナショックが起きるかどうかにかかっています。もし中国で北京オリンピックと春節のタイミングでオミクロン株が全土に広まれば、インバウンドの回復も1年単位の遅れでは済まないことになるかもしれません。
チャイナショックがあっても早期収束の可能性も
さてここまでがオミクロン株の最大のリスク要因であるチャイナショックについての説明でした。ただひとつ楽観論を申し上げると、チャイナショックも早期に収束する可能性は想定できるかもしれません。
そのカギとなるのがファクターXです。日本人が欧米人と比較してなぜか新型コロナの重症者数・死亡者数が少ないことがこれまでも不思議だとされてきました。最近になってようやくそのメカニズムが解明されつつあります。理化学研究所によれば日本人はキラーT細胞に新型コロナを抑制する要因が備わっていて、そのことで欧米ほどの被害が起きなかったのではないかという研究が発表されています。
地理的に日本に近い中国人にも同じファクターXの要因は働いていたのかもしれません。だとすれば中国で仮にオミクロン株のパンデミックが起きたとしても、重症化は一定レベルに抑えられ、医療崩壊も起きない可能性も残されていると思います。
いずれにしても今回述べたことはすべて、未来予測のシナリオの話です。起きる可能性について想定したうえで、仮にそれが起きてもうろたえないように対策を準備する。そのための警鐘として「チャイナショックの可能性」をとらえていただくことが重要だと私は思っています。
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