日本が国際的地位を格段に下げている痛切な事実 いつの頃からか日本人は「謙虚さ」を失っている

✎ 1〜 ✎ 57 ✎ 58 ✎ 59 ✎ 最新
拡大
縮小
日本はいつまで先進国でいられるか?(写真:Shin@K/PIXTA)
この記事の画像を見る(2枚)
1人当たりGDPで見ると、日本は世界第24位。10年前と比べてさえ、順位が大きく下がってしまった。しかも成長率が低いので、さまざまな国に抜かされていく。
かつて日本が先進国になろうとする1960年代の中ごろ、日本人は謙虚だった。その謙虚さを取り戻し、なぜ日本がこのような状態になったかを理解する必要がある。
昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第59回。

1人当たりGDPで、日本は世界第24位

日本の国際的な地位の低下が問題とされている。

この連載の一覧はこちら

これを測るためのデータとしてよく使われるのは、国民1人当たりGDP(国内総生産)だ。

IMF、WEO(国際通貨基金、世界経済見通し)は、「先進国」(advanced coutries)というグループ分けをしている。

そこには、40カ国・地域が含まれているが、2021年の1人当たりGDP(市場為替レートによるドル表示)において、日本は4万0704ドルで、世界第24位だ。

世界第1位のルクセンブルク(13万1301ドル)に比べると、3分の1以下にすぎない。

アメリカ(6万9375ドル)の58.7%、アジア第1位シンガポール(6万6263ドル)の61.4%でしかない。ドイツ(5万0787ドル)、イギリス(4万6200ドル)に比べても低い。

韓国は3万5195ドルで日本より低いが、後述のように成長率が高いので、いずれ抜かれるだろう。

日本より下位にあるのは、ヨーロッパでは、旧社会主義国の他は、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャしかない。

このように、日本は、先進国のグループに入っているとはいうものの、世界における地位はかなり低くなっている。

次ページアベノミクスの期間に、順位が急低下
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT