私が食品加工に関わっていた45年前、「酵母エキス」「たんぱく加水分解物」はすでに使われていました。しかしそれはハムやインスタントラーメンといった「食品加工工場」における原料の1つとして使われているにすぎませんでした。
それが30年経ち、まさかごくふつうの食品の1つとして家庭に入り込んでいくとは、私も夢にも思っていませんでした。それだけみんな「黄金トリオの濃厚な味」が好きなのです。
だしを取るのはそんなに面倒なことか
しかし、だしを取るのはそんなにも面倒なことでしょうか。そんなに一生懸命に「だしの素」を買い求めなくても、家庭でだしを取ればいいだけのことではないでしょうか。
わが家では長年、カツオと昆布、いりこなどでだしをとっていますが、面倒だと思ったことなど一度もありません。
『安部ごはん』では、私が開発した超簡単な「和だし」の取り方を紹介しています。きざみ昆布とかつおぶしを中火にかけて沸騰したら火を止めて、ざるなどで濾すだけで完成、たったそれだけで「本当の無添加だし」の出来上がりです。
いりこでだしを取るときも、いりこを前日に、水を張った鍋に入れておき、翌日、火にかけ沸騰したらいりこを取り出せばいいだけです。
プロのように「弱火よりやや強めの火でじっくり煮出す」とか「沸騰直前に昆布を引き出す」などといった小難しいワザなど、家庭用には必要ありません。
ものの10分でできるし、冷蔵庫で3日ほど持ちます。まとめて作っておけば味噌汁に煮物にすぐに使えて、とても便利です。このだしがあれば自宅で「無添加で美味しいめんつゆ」も簡単にできるから、市販品を買う必要はありません。
そしてなによりも家庭で取っただしは、本当においしいものです。飲んだ瞬間に「あっ、おいしい!」というパンチ力こそ弱いものの、やさしくて、しみじみおいしいと思える滋味があります。後味もスッと切れてスッキリさわやかです。決して「もわ〜」とはしません。
だしがしっかり取れればそれだけで和食はワンランクアップします。いつも「だしの素」を使っているという方は、ぜひ一度試してみてください。
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