もうおわかりだと思いますが、「酵母エキス」が使われている「無添加のだしの素」も、結局は「黄金トリオ」の域を出ていないのです。そしてそこには「日本人の舌を壊す」問題は依然として存在するわけです。
「もわ〜」っとした後味が残る「酵母エキス」
「無添加のだしの素」で大きく売り上げを伸ばしたメーカーの「だしの素」を飲んだことがあります。
口に入れた一瞬は「あっ、おいしいな」と思うのですが、あとから「もわ〜」っと「酵母エキス」独特の味が襲ってきます。本当に「もわ〜」という言い方がピッタリで、後口は決していいものではありません。
それからその「無添加のだしの素」には塩も使われていました。
私はそもそも「だしの素」に塩が入るのをよしとしません。味噌汁を作るにしても煮物を作るにしても、だしの素に塩が入っていたら、塩分過多になりかねないからです。
それに、そもそも、家庭でだしを取るときに、塩など使わないはずです。なのに、なぜ市販のだしの素には、塩が入っているのか。そこに「素朴な疑問」を持ってほしいのです。
もちろんすべての「無添加のだしの素」に酵母エキスやたんぱく加水分解物が使われているわけではありません。
私の考える意味における「本物の無添加のだしの素」も市販されています。私がおすすめしているだしの素の原材料は、カツオと昆布、またはいりこなど素材そのものを粉末にしてパックにしたもの。もちろん食塩無添加です。
『食品の裏側』にも書いたことですが、別に難しいことを考えなくても、原材料表示を見て「台所にないもの」「聞いたことのないもの」が書かれていたら、それは食品添加物かそれに類するものである可能性が高いといえます。
逆に言えば、カツオや昆布など、台所にあるもの、みんなが知っているものだけが書かれていたら、それは安心して買える無添加食品であるともいえます。
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