セールスフォース、「日本が自立」の狙いとは?

中長期的な成長を睨んだ投資を加速

――セールスフォースでは、事例を動画にしてわかりやすく説明する、ということをやっている。提案の仕方も、工夫しているように思います。

この業界、HPも、IBMもそうだったが、紙ベースの提案をずっとしていきている。提案書というものにまとめていこう、と。もちろん我々も提案書はつくる。しかし、よりアジャイルに我々が営業をする上ではビデオを見せる、さらに言うとプロトタイプをつくってその場でデモを見ていただくというようなアプローチに変わってきている。

プロトタイプをお見せして、その場で指摘された点を、直していく。この要件をこうやって変えましょうというようなアプローチがその場で、最初の段階でできるというのは、まさにアジャイルな提案活動。セールスフォースの提案活動というのは従来型と、まったく違う。

お客様の成功事例をベストプラクティスとして紹介するというアプローチも多い。例えば、セミナーにおいても一方的に社員が話すのではなくて、必ずお客様にご登壇いただいて、お客様の成功体験を皆さんと共有化してもらっている。

――ユーザー会のようなものでしょうか。

口コミで広げていくというアプローチが強い。今月、サンフランシスコで「ドリームフォース」という10数万人が参加するビッグイベントをやるが、そこでも、お客様同士の成功体験を共有化するという場が数多く設けられる。パートナーさん同士のコミュニティの輪を広げていくという場も用意されている。そういうアプローチは、典型的な従来型のものとは、まったく違う。

中長期をにらんだ投資を進めていく

――これまで日本法人は、同じ日本IBM出身の宇陀栄次さんが社長を務めてきた。今回、10年ぶりにトップが交代したわけですが、小出会長のミッションとはどのようなものでしょうか。

過去30年近くの実績から、お客様と良好な関係を持っており、まずはそういうことを活かしていく。

それに加えて、私が来てから取り組んでいることは、いくつかあります。1つは近い将来、売り上げ1000億円の企業として、今600名ぐらいの従業員を1000名、2000名にもっていきたいと考えている。イノベーティブなスタートアップ企業のDNAは保ちながらも、経営基盤をきちんと作っていかなければいけない。中長期をにらんだ投資をやっていかざるをえない。

それと、あともう一つの重要な点は、私が来たと同時に、日本だけは、すべての権限を日本法人に委譲してくれる、というグローバルでは唯一の国になった。日本でそのモデルをきちんと成功させて、セールスフォース全体にも貢献していきたい。

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