妻から合格点をもらえる家事・育児 超入門 家事をしない夫を「改造」したい女性も必読!

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ステージ4。実はステージ3のランチには、もっと大きな意味があります。お昼が作れるということは、夜も大丈夫なのです。休日の夕食も作ってみましょう。たまになら、夕食がチャーハンやインスタントラーメンでもいいじゃないですか。いざとなればファミレスや居酒屋でもかまいません。で、そのときにお母さんは友人と、できれば2泊、最低1泊の温泉旅行にでも行くのです。こうすると男性は、ひととおりの家事を全部経験することになります。

家事は技術である以前に、情報処理のような側面があります。洗濯物がたまっているのでそっちが優先なのに、自分は「掃除が担当」と知らんぷり。これでは「単能工」にすぎず、臨機応変の分担はできません。もちろん「○○係」から始めるのでよいのですが、家事を共有するには、全体像を把握したうえで、今、必要な作業を判断する必要があり、そのためにも全貌をつかむことは重要なのです。

ステージ5。平日の夕食です。これも子どもと一緒に作りましょう。忙しいお父さんにはハードルが高いかもしれません。でも、飲み屋に行く代わりに、早く帰って料理ができる日はありませんか? だいたい、サッカーの日本代表の試合のたびにあんなに早く帰れるのなら、普段から帰れるはずだと思うのですが。

男性の家事労働は2億円に相当します

両方フルタイムの共働きなら、この辺までは必修科目。ここまでくればパートナーの苦労がわかり、夕方の仕事を切り上げる意識が出ます。

この連載の中で何度も強調してきましたが、妻が出産時に仕事を辞めなければ、辞めた場合と比べて生涯年収で1億~2億円の差が出ることがわかっています。夫婦でフルタイムで働くには、男性側の積極的な家事参加は不可欠です。そして、それは最終的に、男性が肩の荷を降ろすことにつながります。

そして「男はこんな低レベルで許されるの?!」とお怒りの方、ごもっともです。でも、ここは「補習教室」なので、平日の夕食をクリアした男性なら、あとはよく話し合ってください。この先のステージ6は、個別にカスタマイズされた解決策しかないのです。

いずれにせよ、あんな青ざめた色のCMに負けずに、もう少し肩の力を抜いて、家事・育児を楽しんでみてはどうですか?

瀬地山 角 東京大学教授

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せちやま かく

1963年生まれ、奈良県出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。北海道大学文学部助手などを経て、2008年より現職。専門はジェンダー論、主な著書に『お笑いジェンダー論』『東アジアの家父長制』(いずれも勁草書房)など。

「イクメン」という言葉などない頃から、職場の保育所に子ども2人を送り迎えし、夕食の支度も担当。専門は男女の社会的性差や差別を扱うジェンダー論という分野で、研究と実践の両立を標榜している。アメリカでは父娘家庭も経験した。

大学で開く講義は履修者が400人を超える人気講義。大学だけでなく、北海道から沖縄まで「子道具」を連れて講演をする「口から出稼ぎ」も仕事の一部。爆笑の起きる講演で人気がある。 
 

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