安倍首相、「女性活用」ってホンキですか

第2次安倍改造内閣は「男女共同参画」の基本を壊す?

5人の女性閣僚が起用されたからといって、「女性の働きやすい社会」を作れるとはかぎりません。(写真:AP/アフロ)
アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。

 

第2次安倍改造内閣が発足し、閣僚に5人の女性が起用されたことが話題となっています。それが契機となって、女性の内閣支持率が上がったという新聞の世論調査もあるようです。

しかし、少し事情を知っている人が見れば、この人事が不可解なものであることはすぐにわかります。「女性の活躍」「女性の活用」。安倍氏はしきりに唱えていますが、今回の人事は明らかにそれに逆行しているように見えます。新設の「女性活躍担当大臣」とはいったい何をする人なのでしょう? そもそも「女性活躍」の意味がよくわかりません。

1994年から、この分野では「婦人問題」「女性問題」に代わって「男女共同参画」という用語が行政で使われてきており、1999年に「男女共同参画社会基本法」という法律が定められました。基本法の前文には、「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている」とあります。

この「性別にかかわりなく、その個性と能力を発揮できる」というところが、いちばん重要なポイントで、これは「個人差は必ず性差を超える」というジェンダー論の基本的な考え方が背景にあります。

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