楽天の「妄想力」、次に狙う革命はこれだ! エアアジアとの提携に籠められた深い意味
三木谷:なぜ成長産業になっていないかというと、そこに至るまでのトランザクション・コストが大きすぎるから。「泊まる」までのトランザクション・コストは楽天トラベルを含め、かなり安くなりましたが、本来であればトラベルは、泊まるところをもっと豪華にして足代にあんまり金かけないという風になったほうがいい。そこの設計も含めて考えていかないといけない。
僕は日本のツーリスト・インダストリーというものはバカでかくなるポテンシャルがあると思っている。(今は1000万人の)日本への観光客を年間1億人にするのは、結構簡単だと思っているんですけどね。
山田:移動するコストが下がれば、日本人だっていろいろなところに行こうとする。今は日本国内を旅行するほうがアジアに行くよりも高く付いてしまう。
三木谷:だから、みんな携帯ゲームしかやることがなくなるわけですよ。
山田:旅行をするという場合にも、みんなグアムばっかり行くことになる。
手を打たなければ、滅びる
三木谷:グアムと韓国が多いですよね。日本国内の移動コストが高いから。そういう意味においては、ぜひやっていきたい分野です。
創業から17年たって、言い方は悪いですが、楽天も財閥というか、さまざまなコンシューマー向けのサービスを提供する会社になってきた。それぞれの分野で独創的な発想と戦略に基づいてやっていったらいいと思っています。
これからは、島田(亨副社長)がコンテンツ側をやります。僕も当然、大きなディレクションでは出ていきますけれども、実質のインプリメンテーションは島田がやる。トラベルは武田(和徳取締役)がやり、金融は穂坂(雅之副社長)、イーコマースは小林(正忠取締役)がやる。それぞれ、任せていく。
そうなると僕は何をやるのかといえば、もちろん全部を見ると同時に、外のネットワークもあるから、自分なりに、「いや、これってこういうふうになっちゃうんじゃないの」という具合に、ほかの人よりは多分、正確に予測することができるわけですよ。
山田:そういう意味では、ひとつひとつの「打ち手」が、今後の重要な仕事になるわけですね。
三木谷:打ち手は重要ですね。だから失敗もしますよ、正直言って。でも失敗した時には、直せばいいと思うんですよね。打ち手を考え過ぎて打たなければ、滅びると思う。今までインターネット業界、IT業界潰れてきたのは打ち手を打たなかったんですよ。
打って潰れたやつはいません。要するにバットを振らなければ、ボールには絶対に当たらないんです。
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