さすが!楽天のスタジアムは工夫がいっぱい 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<2>

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楽天の公式戦主催試合の観客動員数推移(上記グラフの単位は百人)。昨年は128万1000人で12球団中11位だった

12球団のホームグランドの実力と課題を分析するシリーズ。マツダスタジアムに続く、連載第2回は東北楽天ゴールデンイーグルスのホーム球場・楽天Koboスタジアム宮城だ。ここは、ありとあらゆるスポーツビジネスのノウハウが詰め込まれた、プロ野球界の常識を打破した画期的な球場である。観客動員数は、安定的な成長軌道にある、と言っていいだろう。

観戦したのは7月26日(土)で対戦相手は北海道日本ハムファイターズだった。確保した座席は、3塁側内野B指定(L6ゲートC5列128番)で、座席料金は3600円。筆者の同スタジアムでの観戦経験は2013年10月21日のクライマックスシリーズファイナルステージ第4戦。今回の観戦は、筆者にとって2度目だ。

チケットは需給に応じて6段階の価格設定

楽天はスポーツをビジネスとして捉え、メジャー流のプロスポーツビジネスのノウハウが余すところなく注ぎ込まれている球団である。その象徴がチケットの価格設定だ。

プロ野球は3月上旬にオープン戦が始まり、下旬に公式戦が開幕する。公式戦の終了は概ね10月上旬。楽天は季節や曜日、対戦カードに応じて需給を勘案し、6段階でチケット価格を変えている(日本ハムとソフトバンクも需給に応じてチケット価格を変えているがどちらも3段階)。

同じ内野B指定でも、一番高い「プラチナ」の日だと4500円だが、筆者が観戦した日は2番目に高い「クリムゾン」の日だったので3600円。一番安い「バリュー」の日なら2000円だ。

巨人戦と阪神戦だけ料金体系を変えるということは、楽天を含めて8球団がやっている。阪神は今年から「平日」と「土・休日・巨人戦」の2種類に分けている。ちなみにオリックスは広島戦で料金体系を変えている。だが、楽天の場合は曜日のみならず季節でも差を付けているところに特徴がある。

春先のナイターは寒いせいか総じて安い。基本的に平日は安く週末や土日は高い。同じ日本ハム戦でも9月19日の金曜日は上から3つめのゴールドだが、20日、21日の土日は2番目に高いクリムゾンだ。

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