さすが!楽天のスタジアムは工夫がいっぱい 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<2>

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スコアボード以外にもう1枚、巨大なスクリーンがあり、これをフルに活用しているのもこの球場の特徴だろう。

向かって左側のスコアボードのコンテンツは登場打者の打率、本塁打数、それに球速と、いたって平凡だが、右側のスクリーンには楽天の選手のみならず、相手方の選手の詳細なデータまで表示される。打者なら当日の各打席の結果や今投げているピッチャーとの過去の対戦成績など、考え得る限りの情報が表示される。

イニングの合間では毎回、観戦客(基本的に子供)1人1人を大きくクローズアップし、じゃんけん大会をやったり、素振りのまねごとをしただけで打球速度が測れるような、観戦者参加型のゲームをやるなどして、これでもかと思うほど観戦客をMCが盛り上げる。

他球場でも客席をモニターで映すことはあるが、大半は固定カメラによる俯瞰。映った観客がスクリーンに向かって手をふると、あさっての方向に手を振っているように見えてしまう。

タイミングを見計らって、選手個人の応援歌や球団応援歌を流し、なおかつその歌詞まで右側のスクリーンに表示したりもするので、何となくメロディを耳で覚えているだけで歌詞まで覚えていないファンでも歌えてしまう。

ジェット風船の残骸がシールに

そして昨年この球場に初めて来て、最も驚いたのが、ラッキーセブンの応援後に繰り広げられる、ジェット風船の残骸争奪戦だ。

この球場では小学生以下の子供を対象に、ジェット風船の残骸10個をシール1枚と交換している。このため、ラッキーセブンのジェット風船飛ばしが終わると、スーパーのポリ袋を持った子供が一斉にジェット風船の残骸集めに奔走する。

大人もみず知らずの子供が近くに拾いに来ると、近くに落ちている残骸を拾って渡している。かくしてゲーム終了時点では、ジェット風船の残骸はほとんど拾い尽くされた状態になる。他のゴミを客席に残していく大人もほとんどいない。ゲーム終了後の場内のクリーン度は12球場中、群を抜く。

前回、この球場に来たとき、ジェット風船の次に驚いたのがゲーム終了後の最寄り駅JR仙石線宮城野原駅での観客のマナーの良さ。2013年は日本シリーズ出場がかかったゲームだったので、場外でモニター観戦していた人も多く、人の多さは今回の比ではなかった。当然のように、宮城野原駅には人が溢れ返り、改札は入場制限をかけていたのだが、誰一人として抜け駆けをしようとしたり、割り込んだりすることなく、静かに改札が開くのを待っていた。

今回、閉口してしまったのは、真後ろの席の60代後半と思われる熱烈な楽天ファンの男性。座席にかなり浅く腰掛け、極端な前屈みで熱心かつ大声で声援を送る人だったので、こちらもかなり前屈みになっていないと、一生懸命打ち鳴らす応援バットが筆者の髪にかさかさと当たる。後頭部をもろに直撃するほどではないので、当たっていることに気付かないのだろう。

その男性の背があまり高くないことも災いし、実質、筆者に覆い被さるような形になり、ちょうど耳の斜め上で大声を出されている状態になる。85㎝という前後の幅は、広島、QVC千葉と並んで最も広いが、浅めの座り方をされたらさすがに意味がなくなる。

空き席があれば、他の席に逃げ出すところだが、この日はほぼ満席。奥さんらしき人が隣に座っていたので、内心、途中で席が入れ替わることを願い続けたが、遂にそれは叶わなかった(もっとも筆者の願い通り席が入れ替わっていたら、今度は筆者の隣の人が被害を受けることになったのだが)。

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