これが「楽天エアアジア連合」結成の舞台裏だ 日本法人トップが語る"捲土重来"への布石
撤退直後から再参入を検討していた
――合弁解消からこれまでに、どのような動きがあったのでしょうか。
旧エアアジア・ジャパンは2013年6月にANAとエアアジアの合弁解消が決まり、同年8月に石井知祥さん(現バニラ・エア社長)と社長職を交代しました。私は引き継ぎのため、1カ月だけ顧問で残りました。
どこかのタイミングでANAに戻ることもありえたかもしれませんが、LCCというビジネスを日本にうまく入れることには価値があると思いました。数千円の運賃で飛行機に乗れるというビジネスモデルをしっかり確立すれば、もっと新しい需要を開拓できるだろうと。
そこでANAを離れることにしました。8月末で旧エアアジア・ジャパンを退職し、翌日の9月1日付でエアー・イノベーションという会社に入社しました。エアアジアが日本市場への再参入を前提として立ち上げた準備会社です。
――エアアジアは合弁解消直後から、日本市場の再参入に向けて、さっそく準備に入っていたわけですね。
そうです。エアアジアのトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)は「日本にはもう一度、参入する価値がある」と、ずっと強い関心を持っていました。そこで出資者を募ってやり直すことにしたのです。