「GDPより長寿大国」日本が世界をリードできる訳 何歳でも輝ける「新資本主義」ライフシフト社会
発売を記念して行われた著者2人と平野未来氏の鼎談の模様を3回に分けてお届けする。3回目となる今回は、高齢化社会という点で世界に先駆ける日本が、世界に対してどんなメッセージを発信できるかについて語り合う。
(司会:東洋経済オンライン副編集長 倉沢美左)
国を判断する指標はGDPだけではない
――日本では今、少しずつですがいくつかの変化が起きています。私たちが変わり、後戻りすることがないとしたら、10年後の日本はどんな国になっているでしょうか。『ライフ・シフト2』では、GDPだけが国を判断する指標ではないと書かれていますが。
リンダ・グラットン(以下リンダ):日本は今、より健康的な生活に向けた移行において、世界をリードするチャンスがあると思います。若者が90歳まで健康に暮らすために何が必要かを、世界に示すことができるのです。
もちろん例えば80歳になった途端に健康になることなどありません。変化をもたらすのは私たち自身の行動の一つひとつで、それは若い頃から始まります。
それは食習慣について考える、世界を探検しようとしている、働き方について考える、スキルを磨く、こういったことすべてにおいて言えます。
皆、日本に期待していると思います。世界は、日本が寿命の最も長い国であることを知っています。だからこそ日本の経験は、世界の人々に与える最も重要な贈り物の1つになるのではないかと思います。