「GDPより長寿大国」日本が世界をリードできる訳 何歳でも輝ける「新資本主義」ライフシフト社会
もちろん日本にも起業家の方がいて、彼らは他の人々の手本になります。なぜなら、起業とはネットワークの中で実現していくものだからです。自分一人では起業家になれません。必ず手伝ってくれる人がいて、資金調達の方法などを一緒に考えてくれます。
日本で、失敗してもいいという考えを広めるためには、こうしたコミュニティーが非常に重要になっていきます。
なぜ私は『ライフ・シフト2』を書いたか
アンドリュー:もちろんスタートアップ企業だけがイノベーティブになれるということではありません。
率直に言って、日本の大手企業やそのCEOたちは、立ち上がってこう言う必要があるでしょう。「われわれは変わるのだ。私たちはその変化をもたらす開拓者になりたい」と。もちろん起業家としても変わることができます。
私が言いたいのは、どの年齢の人も、過去の同世代の人たちとは異なる行動を取る必要があるということです。
私が『ライフ・シフト2』を書いた理由の1つは、なぜ私の子供たちが私のアドバイスを無視するのか、ということを考えたからです。よく見られる反抗期にありがちなものではなく、私の後から生まれたからという理由だけでもない。寿命が長くなったことや、テクノロジーの変化や、仕事の変化が影響しています。
私が両親とは異なる人生に直面し、両親とは異なる選択をしているように、彼らも私とはまったく異なる人生に直面しているのだと深く実感したのです。もちろん難しいこともあるでしょうが、若い世代には、これまでとは違うやり方で自由にやってもらわなければなりません。
そして、自分も同じことをしなければならないことに気づくのです。皆さんは親に対しても、何か違うことをすべきなのだと気づかせてあげてください。100歳まで生きるとすれば、70代、80代になってもまだまだ時間がありますからね。
行動を促す書としての『ライフ・シフト2』
リンダ:前作の『ライフ・シフト』では、「あなたは100年生きる可能性がある」ことを皆さんに示し、それをわかっているでしょうか、と問いました。
『ライフ・シフト2』では、私たちが実際にすべきことは何かについて書いています。「ありうる自己像」について考えるために無形資産という概念について検討しました。また、組織や教育機関、政府に対して、「あなた方がすべきことはこれです」という非常に明確なアドバイスをしています。
どの世代の方にも読んでいただきたいですし、世代を超えて語り合うことはとても素晴らしいことです。『ライフ・シフト2』は、皆さんのライフシフトを実現するために、自分が何をすべきなのかを考える助けとなるでしょう。最初の本よりもずっと実用的なのです。
アンドリュー:本書が世界的に大成功を収めていることを私たちはとてもうれしく思っています。日本について言えば、若い読者が関心を持ってくれているのが素晴らしい。誰もが変化しなければなりませんし、家族の会話が重要だからです。