「GDPより長寿大国」日本が世界をリードできる訳 何歳でも輝ける「新資本主義」ライフシフト社会

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――ありがとうございます。最後に、皆さんに向けてメッセージをお願いします。

リンダ:『ライフ・シフト2』を書いたときは、パンデミックは始まっていませんでした。「組織は何をすべきか」ということについて多くのことを提言しましたが、日本の企業が本当に取り組むとは考えていませんでした。なぜならとても難しい提言だったからです。

しかしパンデミックがすべてを変えました。今はライフシフトをするのに素晴らしい時期です。なぜなら企業も次に何をすべきかを考えているからです。この機会を逃さないようにしましょう。

自分の「物語」を見つけるためのヒント

アンドリュー:先ほどリンダが言っていましたが、彼女がキックボクシングをやっているとは知りませんでした。私もやっていますので、一緒に本を書くだけでなく、一緒にキックボクシングができないかと考えています。

パンデミックが示してくれたのは、健康の重要性であり、私たちはそれをとても大切にしています。そして、これまでとは違うやり方でものごとが行えることを示してくれました。何歳になっても、これから先の時間が長いということは、自分がもたらす変化や世界がもたらす変化をたくさん目の当たりにするということです。過去の世代とは違う行動をするために、考え始めなければなりません。

かつての年齢に比べて若々しいというだけでなく、今50歳の方は、かつてない50歳なのです。誰もが自分自身の開拓者になれます。そのためには考え方を変え、未来の自分に選択肢を与えなければなりません。これが本当に重要なことです。

将来の計画について深く考え、これまでと違った方法で実行すべきだと思います。後ろ向きではなく、前向きに考えましょう。

平野:私も以前、キックボクシングをやっていました。今度お会いしたら、皆でキックボクシングをやりましょう。

私にとって『ライフ・シフト2』で最も重要だと思うのは「物語」です。自分の物語を見つけるのは難しく、時間がかかります。

繰り返しになりますが、自分の感情に注目してください。うれしいこと、興奮すること、悲しいこと、怒ることなど、ポジティブな感情とネガティブな感情の両方です。それが自分の物語を見つけるきっかけになります。

――本日はありがとうございました。今日のセッションが、皆さんの一歩を後押ししてくれると思います。

(構成:笹幸恵)

アンドリュー・スコット ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授

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Andrew Scott

ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授、スタンフォード大学ロンジェビティ(長寿)センター・コンサルティング・スカラー。ロンジェビティ・フォーラム共同設立者であり、英国予算責任局のアドバイザリーボードと英国内閣府の栄誉委員会メンバーも務める。邦訳された著書に『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』がある。

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リンダ・グラットン ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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Lynda Gratton

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方――「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

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平野 未来 株式会社シナモン代表取締役社長CEO、シリアル・アントレプレナー

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ひらの みく / Miku Hirano

東京大学大学院修了。レコメンデーションエンジン、複雑ネットワーク、クラスタリングなどの研究に従事。2005、06年にはIPA「未踏ソフトウェア創造事業」に2度採択。2016年にAIエンジン開発を手がけるシナモンを設立。2021年より内閣官房新しい資本主義実現会議有識者構成員に就任。また、世界経済フォーラムが選出する世界に変化をもたらす40歳以下のヤング・グローバル・リーダーズ(YGL)の2022年度クラスに選出。三児の母。

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