子供が「親と違う人生」を送れば幸せになれる訳 ライフシフトを支援しない企業は生き残れない
発売を記念して行われた著者2人と平野未来氏の座談会の模様を3回に分けてお届けする。2回目となる今回は、社会的開拓者の役割と、現代日本の高齢化問題の正しい考え方について語り合う(第1回はこちら)。
(司会:東洋経済オンライン副編集長 倉沢美左)
誰もが社会的開拓者にならなくていい
――皆さんのお話を伺っていると、誰もが社会的開拓者になって、生き方を変えることが簡単にできるかのように思えてきますが、社会的開拓者になるためには何をすればいいのでしょうか。また誰もが社会的開拓者になれるのでしょうか。
アンドリュー・スコット(以下アンドリュー):誰もが社会的開拓者になれるとは思いません。でもそれでいいのです。
たとえば、他人がどう生きているかを知らない18歳の人に、「残りの人生をどう送るつもりなのか」と質問しても、答えられないでしょう。問題の根源はここにあります。誰もがその問題に直面するからこそ、過去の世代や社会的規範を参考にしようとします。
しかし長寿や新しい技術、仕事の進化などに伴って、これまでの社会的規範は通用しなくなります。これまで以上に長生きするとなると、なおさらです。そこでやり方を変えなければなりません。
ただし、それは社会的開拓者になれ、ということではありません。小さな規模の開拓者になればいい。「私の両親はこうしていたが、私は違う」。これでいいのです。ただでさえ私たちは社会的な規範や慣習に縛られていますから、それとて決して簡単ではないでしょう。
そもそも何をするのがベストなのか、常にわかっているわけではありません。そういうときには、社会的開拓者となるような人たちを探すことが重要です。