子供が「親と違う人生」を送れば幸せになれる訳 ライフシフトを支援しない企業は生き残れない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、社会の変化を目の当たりにしたとき、本当に重要なのは、私たちをサポートしてくれる組織や慈善団体、社会運動の登場です。一人でやるには難しいことをサポートしてくれたり、自分がやろうとしていることと同じことをやっている人たちを紹介してくれたりします。

私たちを活気づけてくれる社会的開拓者は必要ですが、誰もがそうなるわけではありません。でも誰もが、自らの人生における開拓者にはなれるのです。

男性の育休を当たり前のことにするには

リンダ・グラットン(以下リンダ):アンドリューの意見に賛成です。そもそも開拓者とは、勇気を持って社会の常識を覆すことができる少数の人たちのことを指します。彼らは私たちにインスピレーションを与え、そこから社会的な動きが生まれてくるのです。

リンダ・グラットン/英ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。人材論、組織論の権威で、2015年に同校の卓越教育賞を受賞。世界で最も権威ある経営思想家ランキングであるThinkers50では、世界のビジネス思想家トップ15にランクイン。18年には安倍晋三元首相が「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命。著書に『ワーク・シフト』など(撮影:尾形文繁)

その一例として、男性の育児休暇について考えましょう。『ライフ・シフト2』で触れていることの1つに、「家族」があります。私たちがもし100年生きるとして、子供が2人しかいないとしたら、その子供たちともっと一緒に過ごしたらどうでしょうか。

今、日本では育休を取るのは母親ばかりで、父親の育休取得はかなり少ない。ロンドン・ビジネス・スクールの日本人学生や、顧問をしている日本企業の若い人たちと話す機会もありますが、彼らの多くは、「子供との時間を大切にしたい」と言います。

もし育休を取りたいという男性のコミュニティができたなら、個人でいるよりもはるかに大きな影響力を持つようになります。アンドリューが指摘したように、育休を取る男性という社会的開拓者がいるから、そのような社会的変化が起こるのです。

誰かと一緒に行動を起こせば、本当の変化が訪れるでしょう。今、世界中で、若い父親たちがお互いに支援し合って育休を取ろうとしているグループがあります。

ロンドン・ビジネス・スクールに通う日本人グループでも、子供の世話をするために育休を取る男性がいます。彼らは社会的開拓者です。彼らは同じ気持ちを持つ他の男性とつながりたいと思っているはずです。

次ページ誰もが柔軟な働き方を求めている
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事