「数学嫌い」の人は暗記教育の犠牲者といえる理由

公式ばかりを覚えて本当の楽しさを知らない

「数学嫌い」の問題を解決するには(写真:Fast&Slow/PIXTA)

PISAやTIMSSなどの国際的な学力調査結果、あるいは全国学力テストの結果が発表されるたびに、「日本の子どもたちは単純な計算は得意である反面、論述問題や応用問題はそうとも言えない」という報告が出る。

同時に、日本の子どもたちの数学嫌いは顕著であることが指摘される。本稿では、この数学嫌いの問題を自らの教育経験を通して考えてみたい。

数学重視の方向へシフトしているが…

2019年3月に経済産業省が発表したレポート「数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える」では、「社会のあらゆる場面でデジタル革命が起き、『第四次産業革命』が進行中」で、これを主導するものとして数学の重要性を訴えている。前後して経団連も「文系大学生も数学を必修として学ぶこと」の提言を出している。

それに呼応するかのように、早稲田大学が政治経済学部の一般入試で数学を必須科目に変更し、文部科学省も私立大学文系学部入試での数学の必須化を促す姿勢を固めたという(2021年7月8日読売新聞オンライン)。

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上記の動きは日本の将来にとってプラスと考えるが、一部の大学を別にすると、ほとんどの大学では数学に関するそのような改革は遅々として進まないと予想する。国政レベルでも、数学の教育や入試に関する議論が活発に行われることはないと考える。それは、多くの国民が数学嫌いである現状を踏まえれば、仕方のないことだろう。

結局、「好きこそものの上手なれ」を信じて、多くの子どもたちを数学好きにもっていくことが緊要である。まず、「数学が好きになる」とはどういうことかを考えてみよう。

単純な計算問題を誰よりも早く解くことだろうか。数学マークシート問題を裏技によって素早く解くことだろうか。出題されそうな問題の答えだけをすべて丸暗記することだろうか。

このような学習を積み重ねても、試験ではそれなりに点数は取れるものの、「数学が好きになる」ということとは無縁である。万が一そう言ったとしても、球場で食べる弁当が美味しいから「野球が好きになった」と言っているようなものである。

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