数学の学びにおじゃま虫となる「3つの迷信」

数学嫌いな子どもたちを生む考え方

日本の数学の学びや教育を考えると、「3つの迷信」ともいえるものがはびこっています。写真はイメージ(写真:ocsa/PIXTA)

歴史を振り返ると、人々の暮らしに有害であった迷信はいろいろあった。日本における数学の学びや教育に関しても、「迷信」として扱いたいものが3つあるので、今回はそれらを紹介したい。

迷信1 算数→中学数学→高校数学へと重要性は増す

世間では、「算数では基本的な計算だけを学んでおけばいい。中学生になると負の数や方程式を学ぶから算数より数学が重要になる。さらに高校生になると微分積分を学ぶからもっと重要になる」と考えている人が多い。

さらに、「算数は、大人ならば誰でも教えられる。中学数学では、図形の証明という特殊なものがあるから『誰でも』とはいかないだろう。高校数学になると微分積分という厄介なものがあるから、深い知識をもった先生でなければ指導できないだろう」とも考えられている。

上記のような人であっても「盲導犬や警察犬を見てもそうだが、子犬からしっかり育てることが大切」「いろいろな建築物を調査するとき、実は見えない部分の杭などの基礎工事が大切」などは、よく理解されている。それが、算数から数学という流れを見るとき、誤った考え方をもってしまうのが残念でならない。

わが子に暗唱させればよいと考える親たち

算数ではまず、1つずつ数えていくことから学ぶ。単に「イチ、二、サン、シ……」と暗唱することではない。数は抽象的で、同じ「3」でも3人や3匹という離散的なものから始まって、3mや3gという物理量に至るまで学ぶ。抽象性を鑑みることなく1から100までを、わが子に早いうちから暗唱だけさせればよいと勘違いしている親御さんが多いことには、閉口させられる。

4月25日に配信した『大学生が「%」を分からない日本の絶望的現実』という記事の本質は、算数で「%」を理解せずに「やり方」優先の「く(比べられる量)・も(もとにする量)・わ(割合)」で学んだ結果として、大学生になって「%」の問題でつまずいてしまう状況を憂慮しているのだ。

同じく6月3日に配信した『数学が苦手な人が陥る「平均計算」の落とし穴』の本質は、算数で「平均」の意味を学ぶとき、「全体をならす」という考え方にも触れておかないと、大人になって「平均成長率」や「平均速度」などの問題に直面すると、落とし穴にはまってしまうことを注意しているのだ。

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