数学の学びにおじゃま虫となる「3つの迷信」 数学嫌いな子どもたちを生む考え方

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一方、TIMSS(国際数学・理科教育調査)などからも、日本の子どもたちの「数学嫌い」は際立って多く、子どもたちに面白い応用例を工夫して提示すべきである。例えば、340×6=2040という掛け算を応用問題とする場合、「花子さんはお母さんから、340円の弁当を6個買ってくるように言われました。いくらもっていけばよいでしょうか」という感じで、花子と太郎ばかりが登場する味気ない問題が多い。

同じ式でも、「音は1秒間に約340mで進み、光は1秒間に約30万km進みます。花火大会で、ピカッと光ってからドーンという音を聞くまで6秒かかりました。花火までの距離はおよそ何mでしょうか」という問題ならばワクワク感が高まるだろう。

小学校の教育現場では、教員から算数に対して負のイメージを植えつけるかのような呆れた発言も飛び出すことがある。この迷信がはびこっていることが根本にある。

算数より数学が重要だという迷信

一方で文部科学省は、「中学校や高校の数学教員免許状をもっている者は、小学校の教員免許状をもっていなくても算数を指導できる」ように弾力化を進めてきた。この政策は支持するが、算数よりも数学が重要だという迷信を過去のものにして算数教育を重視する世論を高めない限り、いくら「AI時代には数学が重要」と経済産業省ほかが宣伝しても、効果は限定的になるのではないだろうか。

7月10日に『AI時代を切りひらく算数~「理解」と「応用」を大切にする6年間の学び』という保護者や教員向けの教育書を出版する予定だが、「数学教育全般にとって算数がとくに重要」という考え方を示す意図がある。

迷信2 数学は答えを当てる教科である

1979年から始まった「共通一次試験」以降、大学入試ではマークシート式試験が広く採用されるようになった。採点が瞬時にできる面はあるものの、論述力は身に付かない。マークシートの問題では文字変数に具体的な数字を代入すると答えがバレやすくなることもある。

優秀な生徒からは、「解法を強制する」ことに対して違和感がある。裏技を使って正解を見つけた場合、記述試験ならば0点であるもののマークシート試験では満点になる……などの問題点がある。

2020年度から始まる「大学入学共通テスト」から国語と数学で一部記述問題が導入されることになったように、マークシート試験は徐々に見直される運びとなってきた。しかしながら、多くの生徒に浸透してしまった答えを“当てる”意識を、答えを“導く”意識に直すことは簡単ではない。

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