子どもの死因「添い寝が危ない」という衝撃の事実 CDR(チャイルド・デス・レビュー)とは何か
わが国で1年間に死亡する19歳以下の子どもの数は年々減少傾向を示していて、2016年は約4600人だった。とくに0歳児~4歳児の死亡は、20年前の6310人から2618人へと大きく減っている。
世界的に見ても、乳幼児の死亡率が低い日本。子どもの死が少ないことはよろこばしいことだが、一方で、このなかに防げる死があったとしたら――。子どもの死因をめぐる死亡検証「チャイルド・デス・レビュー(以下、CDR:予防のための子どもの死亡検証)」が、日本でも始まった。
「子どもの死因の傾向をつかむことができれば、必要な予防策を講じることが可能になる。未来の子どもの生命を守り、安全を確保していくのは、われわれ大人の役目です」
と話すのは、滋賀医科大学社会医学講座法医学部門教授の一杉正仁さんだ。
CDRとは?
CDRとは、国内で死亡した子どもの病歴や家族環境、死にいたった経緯などに関するさまざまな情報をもとに、複数の機関や専門家(医療機関、警察、消防、行政関係者など)が検証を行い、効果的な予防対策を導き出し、予防できる子どもの死を減らす取り組みのこと。そこには病気や事故だけでなく、自殺、虐待などで死亡したケースも含まれる。
「アメリカやイギリスなどの諸外国ではすでに実施されているもので、日本では2020年度に厚生労働省が『CDR体制整備モデル事業』をスタートさせ、2021年度も継続中です」
2020年度にモデル事業を実施したのは、滋賀県や山梨県、京都府など7府県で、2021年度は「現在、手続き中」(子ども家庭局母子保健課)だという。一杉さんは2020年度の滋賀県CDR関係機関連絡調整会議会長として、同県のCDRをとりまとめた。
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