アフターコロナにおいて次の事業の柱をどう創るか、がホットだ。特に大企業ではその傾向が顕著だが、一方でなかなか成果が出ない会社も多い。
新規事業部門から目立った成果は出ず、ビジネスコンテストは形骸化。事業開発人材は社内調整に疲れてしまい、大企業では事業開発はできないと、あえてスタートアップ企業へ就職する若者も増える一方だ。チャレンジングな環境を求めている人たちにとって、残念ながら大企業は新規事業に挑戦しにくい環境に見えてしまっているのだろうか。
もちろん、「大企業」だからと乱暴にくくるべきではないのだが、実際、多くのスタートアップ企業に比べれば、強固な基盤を持っているはずの大企業で、なぜ、新規事業が生まれにくいのだろうか?
ビジネスコンテストをやるだけでは意味がない
私の経営するエッグフォワードが新規事業支援の実務を重ねる中で、よく耳にするのが、「ボトムアップでアイデアを表出する機会をつくっているのに、なかなかいい事業案が出てこなくて……どうしたらいいでしょうか?」という声。新規事業アイデアの社内公募や、ビジネスコンテストと銘打ってイベントを開催する企業も増えているが、回を重ねるうちに尻すぼみになっていないだろうか。
確かに、新規事業になりうるアイデアの種を探すという意味では、役職や職種を問わず、多くの人から意見を募ることが有効だ。だからこそ、運営側は盛り上げる意味で、「1人1アイデアの応募必須」「部門ごとにエントリー数のノルマを課す」といったやり方を取るところもあるが、往々にして、強制しても逆効果になるだけだ。
気をつけるべきはイベントそのものを目的化しないこと。新規事業コンテストは通常の業務とは趣が異なるため非日常感もあるし、経営や普段交流のない部門と話すチャンスもあるので、参加者にも一定の満足感はある。なんとなく成功した気になってしまうからこそ、その先の展開まで考えられていない場合が多い。
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