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「大企業は新規事業に向いてない」を覆す条件3選 スタートアップにはできないやり方で成功できる

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  • 徳谷 智史 エッグフォワード 代表取締役
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このように、うまく具体化が進んでいる企業では、一見すると既存事業とはまったく関係のない奇想天外なもののように見えて、なぜその事業が必要なのかという理由が根底ではつながっている。これは、新規事業プロジェクトにおいて目的設定・ビジョンメイキングが重視され、非常に丁寧に進めてきた証拠だ。だからこそ、ビジョンに共感して協力者が集い、普段の立場や役割を越えたチームを形成できているのだろう。

目標の設定も大切になる。一般的な組織は、目的を実現するための中間指標(KPI)を設け、その達成に向けて動いていくものだが、新規事業において、あまりにも細かくKPIを設定しすぎると、特に新規事業・サービスはマーケットそのものが未成熟のため不確定要素が多く、かえってKPIに振り回されてしまうことも多い。

役員会を通過させるためだけに動いていないか

よくある例に、とにかく役員会を通過させるための指標ばかりに追われて、中長期の成長観点が欠落していく、短期成果にこだわりすぎ、チームが分業をはじめるといったことがある。

つまり、イノベーションに必要なオープンコラボレーションとは真逆の方向に進んでしまうのだ。こぢんまりとした短期の確実性の高い投資回収ばかりに目が向くので、新規性がどんどん失われていく。むしろ中長期で実現したいミッションを道標に目指す方向性を示すことが、イノベーションを加速させるだろう。

ちなみに、今回ご紹介したような企業における新規事業開発がうまくいくもう1つの共通点は、柔軟性の高さだ。大手でも、スタートアップ企業を脅威と思わず共創のパートナーとして、コラボレーションをする。自分たちは大企業だから、相手がベンチャー企業だから、と区別しない。十分なアセットや基盤を活かせるがゆえに、できることもたくさんある。

このように、成功企業の共通点に注目してみると、大企業がイノベーションに向かないとは必ずしも言い切れず、むしろスタートアップ企業にはできないやり方でイノベーションを生み出す可能性があるともいえる。

共通の志でつながり、フラットに協力し合う関係性を築くことが、新しい時代には必要なのかもしれない。

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