Uber→WeWork立ち上げた39歳が選んだ「次」 日本の大企業と世界のベンチャーをつなげたい

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ソニーを経て、ウーバー日本法人、ウィーワーク日本法人で日本事業の立ち上げを指揮してきた高橋氏が次に選んだ道とは(撮影:今 祥雄)

めまいがするような華やかな経歴の中で、身につけたのは大企業とベンチャー、日本と海外の視点や違い、ニーズ、課題などすべてを的確に把握する力だった。

ソニーを経て、Uber Japan(ウーバー・ジャパン)社長としてUber Eats(ウーバーイーツ)を立ち上げ、次に入社したWeWork Japan(ウィーワーク・ジャパン)では日本事業の立ち上げと拡大を任された高橋正巳氏(39)。日本でも話題となったシリコンバレー発ベンチャーで苦労も含めてさまざまな体験をした同氏が次に目指すのは、日本の大企業と世界のベンチャーをマッチングさせる仕事だ。

シリコンバレーに拠点を置く、ベンチャーキャピタル(VC)のスクラムベンチャーズの子会社として新設されたスクラムスタジオは、日本の大企業が抱える課題を、日本を含めた世界中のスタートアップとのオープンイノベーションを通じて解決し、新規事業を創出する構想を描いている。その指揮をとるのが高橋氏だ。

近年、オープンイノベーションという言葉はよく耳にするが、実際にそこから有望な事業が生まれたという話を聞くことはあまりない。新型コロナウイルスという未曾有の事態は、これまでとは違う形で日本に新しい産業を生み出す土壌を作るきっかけになるのか。

コロナで新しいイノベーション求められている

――ウーバー、ウィーワークを経て、今度はベンチャーキャピタルです。ここへ至る経緯は。

新型コロナの影響で社会環境が激変し、打撃を受けた企業がある中で、新しいニーズも生まれ、新しいイノベーションが求められています。変化が激しい世の中に対応するにはスピード感が必要。その中で非常に重要なプレイヤーになってくるのがスタートアップです。

過去7年間、ユニコーンとかデカコーンと言われるような、資金力もあって急成長するアメリカのスタートアップでいろいろな事業を立ち上げる経験を積んできた中で、(ベンチャーの)中でしか見えない、成長するうえでの手法やマインドセットなど習得してきました。これからは、そういった手法みたいなものをいろいろな事業に生かして、価値に変えていきたいと思いました。

資金力もあって優秀な人材もいる大企業とスタートアップをかけ合わせることによって面白いことができるのではないか。そう考え、日本の大企業と日本を含めた世界のスタートアップをつなぐ事業創造会社としてスクラムスタジオが設立され、スクラムベンチャーズ創業者の宮田(拓弥)に声をかけてもらって社長に就任しました。

次ページ日本の大企業が抱える「課題」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事