Uber→WeWork立ち上げた39歳が選んだ「次」 日本の大企業と世界のベンチャーをつなげたい
スクラムスタジオでは、スクラムベンチャーズの海外ネットワークを生かしたアクセラレーター・プログラムの運営のほか、大企業とのジョイントベンチャーによるスピンアウト起業支援や、海外スタートアップの日本法人設立などを行います。また、大企業とスタートアップをつなげるオンラインプラットフォームも運営していきます。
――日本の大企業は、どういった課題を解決したいと考えているのでしょうか。
自社だけで垂直型でモノをつくって売ることに行き詰まりを感じ、どういう人にどのように届けるか、バリューチェーン全体を考え、1社だけでなくほかの企業の持っている技術や流通網を使おうという発想がだいぶ広がってきています。その流れでオープンイノベーションの重要性を理解している大企業も、この数年でとても増えました。
ただ、他社と組みたいけれども、そのネットワークや知見が社内に不足している、あるいはスタートアップのスピード感や物事の進め方とギャップを感じているという企業も多い。そこでわれわれのような立ち位置の人間が入って、寄り添いながら新しい事業をつくっていくわけです。
アメリカが本社の日本の VCはほかにない
――アクセラレーター・プログラム自体はすでにやっていたのですね。
最初は2018年に、任天堂用のアクセラレーター・プログラムを行いました。ニンテンドースイッチの未来の技術を探すお手伝いをしています。
2019年には、電通と共同でスポーツに生かせるスタートアップを集めた「スポーツテック東京」というプログラムを実施し、実証実験を8つほど行っていますし、2020年に立ち上げた未来の街、未来の都市をデザインする「スマートシティX」では、100社近くのスタートアップがニューノーマル時代の新しい事業の種を議論しました。
食に特化したプログラム「フードテックスタジオ)」も同じく2020年ローンチしています。これには、ハウス食品や日清食品、伊藤園など日本を代表する企業が参加しています。
アメリカに拠点があるVCは、スクラムベンチャーズ以外にほとんどありません。アメリカでこうしたプログラムのマネージングディレクターをしているのはアメリカ人で、彼らが最先端の企業だったり、ニュースだったりを日本に引っ張ってくる。一方で、われわれ日本にいるメンバーが日本の大企業のフロントに立って、そことつなげる、というのが一番の強みであり、特徴だと思っています。
――オープンイノベーションはさまざまな企業で行われているようですが、実際に成功しているオープンイノベーション案件をあまり耳にしないように思います。実際のところはどうなんでしょうか。
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