コロナ禍では、イノベーションを生み出そうにも、コミュニケーションが一部の人に閉じがちだ。そのような課題を解決するべく、社内の相互交流SNSサービスである、バーチャルランチクラブのようなプラットフォームの活用も増えている。
加えて、テストマーケティングなどで顧客の意見を聞く機会を増やし、顧客と一緒に事業をつくっていくスタンスをとることも重要だ。例えば、オープンイノベーションを目的としたイベントに積極的に参加するのも1つの手だ。アメリカで開催されているイノベーターの祭典SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)など、世界中から注目が集まるような環境に身を置き、自社の新規事業構想を見てもらうのだ。
「ミッションへの共感」で組織を動かす
最後にお伝えしたい成功の秘訣は、企業として新規事業をやる意味が社員に浸透しているか。言い換えるなら、ビジョンやミッションと接続できていることだ。
いかなるスタートアップ企業でも、ビジョンやミッションがないまま、事業性だけで飛躍していくことはほぼない。実現したい世界や取り組みたい社会課題がベースにあり、そこから新しい事業が生まれていく。
大企業も本来はそうあるべきではないだろうか。例えば、トヨタ自動車が街づくりに乗り出したが、それは、「可動性を社会の可能性に変える」というビジョンを実現するうえで、街のあり方から変える必要があったのだろうと感じられる。
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