絵が苦手な人に多い3つめの特徴は「描くときに紙を動かさない」というものです。
絵を描くときは、一定の向きでなくても、紙を90度回転させたり、さかさまにして描いたりしてもよいのです。当たり前のことのように思われがちですが、「絵が苦手」な人ほど、「描くときに紙を動かす」ということを意識していない人が多いのです。
たとえば、カーブを描くとき、わたしの場合は、向こうから手前に「引く」より、手前から向こうに「押し出す」ように描くほうが上手くいきます。それは、人によって異なるので、「どの方向から描くのが自分に合っているか」まずは、やってみましょう。
「描きやすい方向」がわかったら、あるいは「苦手な方向のカーブ」を描きたいときには、紙をさかさまにしてみると、上手く描くことができます。「紙の向きひとつ」で描きやすくなるなら、ぜひ「紙を動かして」描きやすい形で描いていきましょう。
最後の4つめは、「絵を上手に描くための『小道具』は身近にいくらでもあるのに、それを一切使わない」ということです。すべて自分の手で描くには、よほど慣れた人でないと、綺麗な直線や曲線を描くのは難しいのです。
たとえば、「楕円」を描きたいと思ったら、自分の指をなぞって描くことも可能です。きれいな円を描きたいと思ったら、紙コップや硬貨を使えばいいわけです。
私のレッスンでは、「紙コップで円を描く」「自分の指をなぞって楕円を描く」といった方法が登場します。これについても、ただ道具を使っているというだけで、邪道でも何でもありません。これを私は「小ワザ」といいます。そのほうが、きれいな形を描けるなら、そうするべきです。
「ちょっとしたコツ」で、絵は一瞬で上手くなる!
これまで「絵が苦手」と感じていた人も、「描く対象を構成する図形」を見極めて、「立体感」を出すコツをつかめば、見違えるような絵が描けます。
そして、必要に応じて、「紙の向き」を変える、「身近な小道具」を使うなど、自分に合った方法を取り入れてみましょう。そうすることで、絵を描くことが楽しくなり、「自分にも描ける!」という自信につながっていきます。
私が「30分方式」を考案したのは、みなさんに自信と勇気、そして基本的な技術の提供をするためです。
ちょっと絵が描けると、仕事でも日常生活でも、何かと便利なものです。それに絵を描くのは、なんといっても楽しいものです。
ぜひ「キスラー式30分方式」を通して、たくさんの人が絵を描くことへの「苦手意識」から解放され、楽しんでくれたら、私にとって、これ以上の喜びはありません。
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