なぜ総菜盛り付けに特化?専用ロボ開発の舞台裏 働き手いない問題にロボ開発で挑むエンジニア
人と働き成長するロボで課題解決に挑む
──野村さんは以前、業務用センサーの組み込み開発を行っていたとのこと。なぜ、そこからロボット開発の道に進んだのでしょうか?
もともと機械いじりが好きだったので、前職にいたころから趣味でロボット開発はやっていたんですよ。それで、ロボ開発の競技会や催事があれば、自主的に手伝いなんかもしていたんです。
学生時代は「ロボット開発の道に進んでも食べていけるかわからない」という不安があったので、趣味は趣味と割り切り、就職活動では業務用センサーメーカーに進むことにしました。
でも、30代半ばになりマネジャーの業務を打診されるようになったころ、「もうしばらく、現場でものづくりに携わっていたい」という思いが出てきたんです。
そんなとき、ロボットのイベントで知り合ったアールティの方から「一緒にやらないか」と声を掛けてもらって。その縁をきっかけに、『Foodly』の開発に携わることになりました。
──あらゆるロボットがある中で、『Foodly』の開発に携わろうと思った決め手は何だったのですか?
『Foodly』が世の中にとって必要で、開発そのものも自分にとってチャレンジングだと感じたからです。
今、食品工場の労働力不足は皆さんが想像するよりはるかに深刻です。特に地方では、そもそも働き手が少ないため、報酬を高めに設定しても定員割れしてしまうところがあると聞きます。しかも、このコロナ禍で外国人労働者の多くが帰国を余儀なくされるなど、新たな問題も生まれているようです。