「世界で一番強い国は?」中華AIによる衝撃回答 アリババ社製の「AIスピーカー」と話してみた
館内の廊下を歩いていると、高さ1メートルほどの銀色の箱のような物体が、のろのろと移動しているのを見かけた。清掃ロボットのようにも見えるが、それにしては小さすぎる。
もしやと思ってスタッフを探して聞くと「客室にものを運ぶロボットです」とのこと。「天猫精霊福袋(ティエンマオジンリンフウダイ)」という呼び名らしい。
さっそく試そうと思い、部屋に戻って、「Tモールジニー(各部屋に備え付けられたアリババ社製のAIスピーカー)、ミネラルウォーターを持ってきて」と頼むと、「はい、スタッフがお持ちします」との返答。
10分ほど待つと、スマホ内のホテル専用アプリが起動し、アラームが鳴った。ドアを開けると、運びロボットが鎮座しており、スマホに表示されたパスワードを液晶パネルに入力すると、ウィーンという音とともにゆっくりとフタが開いた。
箱の中にはミネラルウォーターのボトルが無造作に入っており、取り出してフタを閉めると、ロボットは無言でエレベーターのほうへと進んで行った。自動販売機からモノを取り出したような感覚だ。人間らしさは微塵も感じない。
楽しくも怖くもあるAIとの会話
Tモールジニーとの会話が面白かったので、いろいろ話しかけてみた。
「チェックアウトは何時?」「正午12時です」
これぐらいは当然答えられるとして、「ドライヤーはどこにあるの?」「洗面所の引き出しの中にあります」とまで答えられたのには驚いた。事前にかなりのデータがインプットされているようだ。
宿泊客がフロントに聞く質問など、大半はパターン化されているのだろう。そう考えれば、実に合理的だ。あえて答えにくそうな質問もしてみた。
「釣魚島(ディアオユイダオ、尖閣諸島の中国側呼称)はどこの国にありますか?」
すると、これまでは「ご主人さまぁ!こんにちは!」という明るいアニメ声の女の子のような声だったTモールジニーの声質が突如変化し、野太い声で力強く、「釣魚島は古来中国の領土です!」と言い切った。なんか怖い。
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