アマゾンの制裁で会社を潰しかけた36歳の告白 月500万円の売上がアカウント停止後に凍結
「首の皮一枚のところで倒産を避けることができ、本当に助かりました」
そう話すのは、アマゾンのマーケットプレイスに出品して5年になる永井亮(仮名、36歳)だ。2015年6月にアマゾンの出品者として本腰を入れるため法人登記した。首都圏の民家を借りて、数人の従業員を雇い、物販事業を営んでいる。私が訪れた民家には、発送する商品が山のように積まれ、その一角には商品を撮影する簡易スタジオがあり、台所では3人の従業員がパソコンに向かって注文を処理する作業を行っていた。
アマゾンから届いた「著作権侵害」の通告
その会社があわや倒産という危機に直面するのは、会社立ち上げから2年後の2017年6月のこと。《セラーセントラル》という、商品の販売データを閲覧したり、出品者とアマゾンや、出品者同士がやり取りしたりするページ上で、アマゾンから、永井が出品している商品が「知的財産権とその他の権利を侵害」しているというメッセージが届いた。
メッセージの送り主は、アマゾンの《アカウントスペシャリスト》。はじめは何かの勘違いだろうと思いながら対応していたら、アマゾンが自分のアカウントを閉鎖するつもりであるのを知り、永井は慄然とする。
50品目ほどをマーケットプレイスに出品していた永井は当時、すでに販売されている商品に相乗りしていた。商品の相乗り自体は、アマゾンが推奨する行為である。多くの出品者が同じ商品を出品すれば、商品の価格は下がり、消費者が安価な商品を購入することができるからだ。永井が相乗りした商品の1例としては、犬の無駄吠えを防止する首輪があった。
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